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龍玉伝説
日時: 2023/06/28 15:46:58
名前: 戦艦壱号
参照: http://pbs.twimg.com/media/DsAq1bfV4AAaPvJ.jpg

http://ayasachi.sweet-tone.net/cgi-bin/bbs4c/read.cgi?no=847
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復興戦争 ( No.81 )
日時: 2023/06/28 15:56:19
名前: 戦艦壱号

ポストヒューマンとは旧世界の高度の科学技術により創造された人工性生命体…。所謂人造人間の総称化である。世界最終戦争によりポストヒューマンに関連する大半の資料と研究施設は焼失したが…。一部の残存資料ではポストヒューマンは人間を超越した身体能力と不老長寿の肉体である記述のみは現存する。
「ですが総大将…怪物みたいな百人力の兵隊を味方に出来ましたね…」
「ブルータルキラー…彼奴は単純に戦闘と殺戮さえ出来れば満足らしいからな…」
『何よりも狂戦士のブルータルキラーを万民解放軍の一兵卒として扱えるのは奇跡だったな…』
野心家のフィルドルクにとって自身の目的の遂行にブルータルキラーの好戦的性格は非常に好都合だったのである。同時刻…。ブルータルキラーは数秒間で守備隊の駐屯地に到達する。
「なっ!?此奴は敵軍の新手か!?」
「常人以上のスピードだったぞ!此奴は本当に人間なのか!?」
ブルータルキラーのスピードに最前線の敵味方の戦闘員達は強豪のブルータルキラーに注目したのである。直後…。改造された両手の義手先端から銀色の鉤爪が出現する。
「戦闘を開始する…」
ブルータルキラーは神速の身動きで敵兵に急接近したかと思いきや…。変形させた鉤爪で斬撃したのである。ブルータルキラーは数秒間で三人の敵兵を殺害…。床面にはバラバラに斬撃された肉片やら鮮血が飛散する。
「うわっ!此奴は怪物だ!」
防衛隊の戦闘員達はブルータルキラーに畏怖したのか護身用の機関銃は勿論…。回転型機関砲でブルータルキラーに攻撃を集中させる。
「集中攻撃だ!怪物の兵士を打っ殺せ!」
復興戦争 ( No.82 )
日時: 2023/06/28 15:58:28
名前: 戦艦壱号

数百発もの弾丸がブルータルキラーに集中するも…。ブルータルキラーは神速の身動きで弾丸を回避したのである。
「なっ!?敵兵は一瞬で…」
「消失したぞ…怪物は一体…」
一瞬の身動きでブルータルキラーは敵軍の銃撃を回避…。防衛達の戦闘員達は周囲を警戒するのだがブルータルキラーの姿形は確認出来ない。
「敵軍の強兵は!?」
すると回転型機関砲を装備する戦闘員の背後より…。
「えっ…」
ブルータルキラーは鉤爪で戦闘員を瞬殺する。ブルータルキラーの大攻勢により形勢は完全に逆転…。一時的に戦意喪失した万民解放軍の突撃隊であるがブルータルキラーの参戦によって彼等の士気が発揚したのである。突撃隊の猛反撃が開始される。十数分間の戦闘で駐留地の守備隊は撤退を開始…。彼等の駐留地は万民解放軍に占拠されたのである。今回の夜襲作戦で万民解放軍は二百人以上の戦闘員が死傷…。一方の駐留地守備隊は百五十人以上の戦闘員が死傷したのである。戦闘に辛勝した万民解放軍は駐留地に放置された多数の重火器を戦利品として確保…。五十五人もの敵軍戦闘員を捕虜として拘束したのである。戦闘終了後…。フィルドルクは笑顔でブルータルキラーに近寄る。
「見事だったぞ♪ブルータルキラー♪貴殿の孤軍奮闘で敵軍の駐留地を無事に占領出来たのだ!大戦果だぞ♪」
初戦の大戦果にフィルドルクは大喜びしたのである。
復興戦争 ( No.83 )
日時: 2023/06/28 16:00:30
名前: 戦艦壱号

「ブルータルキラーよ…貴殿は全軍の次期総帥候補に相応しい存在なのだ♪一兵卒では勿体無い人材だぞ…」
「えっ!?ブルータルキラーが次期総帥候補って…」
「初戦で次期総帥に任命されるなんて凄過ぎる…ブルータルキラーは別格だな…」
周囲の戦闘員達は驚愕する。
「実際…今回の戦闘ではブルータルキラーが参戦しなかったら俺達は完全に敗北しただろうからな…ブルータルキラーが万民解放軍の次期総帥に任命されるのも当然だろう…」
するとブルータルキラーは無表情で…。
「何が次期総帥候補だ…俺にとって次期総帥なんて地位は無価値だな…」
次期総帥の地位を無価値であると断言する。
「無価値だと?」
フィルドルクは勿論…。周囲の戦闘員達はハッとする。
「ブルータルキラーよ…万民解放軍の次期総帥は大名誉なのだぞ!貴殿は新時代の覇者として全世界を掌握したくないのか!?」
「全世界の覇者なんて…殺し屋の俺には無縁だな…」
ブルータルキラーは無関心そうな態度で返答したのである。
「俺は思う存分戦闘と殺戮さえ出来れば満足だ…」
フィルドルクは内心不服であったが…。
「ブルータルキラーが暴れ回りたければ思う存分に暴れ回るのだ…恐らく今後も各地で戦闘が開始されるだろうからな…」
大戦闘に勝利した万民解放軍は本拠地の万民解放区へと戻ったのである。
復興戦争 ( No.84 )
日時: 2023/06/28 16:13:49
名前: 戦艦壱号

第二話

山賊要塞
砂漠化した大平原での大戦闘から五日後の真昼…。万民解放軍では最精鋭部隊が新編成されたのである。メンバーはポストヒューマンであり最精鋭の一人であるブルータルキラー以下…。十三人の精鋭達が抜擢されたのである。
「全員集合したな…」
万民解放軍本拠地にて最精鋭部隊が集結…。総大将のフィルドルクがメンバーを確認したのである。
「突然であるが…貴様達最精鋭部隊に重要任務だ…」
「はっ?俺達に重要任務だって?」
「任務内容は?」
少数精鋭であるが彼等は面倒臭そうな態度でフィルドルクに問い掛ける。
「貴様等少数精鋭は南方地帯の山賊要塞に潜入しろ…」
山賊要塞とは西方地帯に聳え立つ岩山であり難攻不落の大要塞である。近年山賊要塞と命名される岩山では大勢の武装集団が占拠…。岩山全体は要塞化され山賊要塞内部には各地で回収された多数の重火器が配備されたのである。
「今回の作戦の最終目的として…山賊要塞の占拠と要塞内部に配備された重戦車を多数強奪するのだ…最精鋭の貴様達であれば出来るよな?」
「はっ!?総大将は正気なのか!?」
任務内容にブルータルキラー以外のメンバーは猛反発する。
「俺達が少数精鋭でも…十四人だけで山賊要塞全体を占拠するなんて無茶だろ!」
「総大将…多勢に無勢だぜ…難攻不落の山賊要塞を完全占領したかったら万民解放軍全勢力で総動員するべきだ!俺達だけで山賊要塞を占領するなんて無謀過ぎるぞ…」
フィルドルクは一息したのである。
「であるからこそ最精鋭のブルータルキラーを今回の大作戦に抜擢したのだ…」
復興戦争 ( No.85 )
日時: 2023/06/28 16:16:10
名前: 戦艦壱号

前回の戦闘でブルータルキラーの戦闘力を熟知したフィルドルクは今回の大作戦でも活躍出来ると判断する。
「ポストヒューマンであるブルータルキラーなら鬼に金棒だからな…彼ならば百人力の大戦果は期待出来る…」
「ブルータルキラーが最強の狂戦士でも…一人だけでは戦力に…」
すると直後である。ブルータルキラーは超高速移動により精鋭の一人を斬首…。即死させたのである。
「なっ!?」
「えっ…此奴…」
「ブルータルキラー…貴様!?」
地面には切断された精鋭の頭首と鮮血が流れ出る。
「ひっ!殺されちまう!」
「此奴…本当に仲間を打っ殺しやがったぞ!」
十二人の精鋭達は仲間にも容赦しないブルータルキラーに畏怖したのである。
「今度…俺に殺されたいのは誰だ?」
ブルータルキラーは無表情で十二人の精鋭達に問い掛ける。
『ブルータルキラー…』
総大将のフィルドルクもブルータルキラーの予想外の行為に一瞬動揺する。
「貴様達…今回ばかりは無謀かも知れないが…今現在万民解放軍は戦力不足なのだ…一度の戦闘に相当数の人員は配備出来ないのが現状だ…」
万民解放軍は前回の大規模戦闘で相当数の人員喪失により一度の戦闘で大勢の戦闘員達を主戦場に総動員するのは事実上不可能だったのである。
「危険である反面…今回の任務に成功すれば貴様達には報酬として一年分の食糧品と酒類を提供するからな…約束する!」
「えっ!?」
「食糧と酒類を一年分だと!?本当かよ!?」
「一か八かのチャンスだな!山賊要塞で思う存分に大暴れするか♪」
「約束だぜ♪総大将♪」
復興戦争 ( No.86 )
日時: 2023/06/28 16:18:48
名前: 戦艦壱号

「任務に成功したら俺達に一年分の食糧と酒類を用意しやがれよ♪」
報酬の一言にブルータルキラーを除外する精鋭達の士気が発揚…。
「はぁ…」
『如何やら一安心だな…彼等が単純で安心した…』
一時的であるがフィルドルクは内心ホッとする。現実問題…。万民解放軍は慢性的に人員不足であり内輪揉めが原因で人員が喪失するのを回避したかったのである。
『生憎…ブルータルキラーには報酬は不要そうだが…』
万民解放軍全軍にとってブルータルキラーは最強の主要戦力である一方…。フィルドルクは危険人物である彼に裏切られないか極度の不安感と恐怖心を感じる。翌朝…。最精鋭部隊は西方地帯の山賊要塞へと移動を開始したのである。
「総大将の野郎も適当だよな…如何して俺達をこんな任務なんかに抜擢しやがった?正直無謀だぜ…」
最精鋭の一人が不満を愚痴り始める。
「仕方ないよ…六日前の戦闘では人員の大半を喪失したからな…当分の作戦では大人数は動員出来ないだろうよ…」
「山賊要塞の占領に成功すれば一年分の食糧をゲット出来るぞ…我慢しろよ♪」
万民解放区から西方地帯は二十キロメートルの長距離であり比較的近距離だったのである。移動を開始してより一時間半後…。彼等は目的地である西方地帯に到達したのである。
「無人地帯かよ…西方地帯は万民解放区以上に殺風景だな♪」
「当然だが人気は感じられないぜ…ゴーストタウンみたいで薄気味悪いな…」
「幽霊が出現しそうな雰囲気だな…」
「何が幽霊だよ♪子供かよ♪所詮幽霊なんて子供騙しだろうに…」
復興戦争 ( No.87 )
日時: 2023/06/28 16:21:15
名前: 戦艦壱号

当然として西方地帯の住宅街も荒廃したゴーストタウンであり誰一人として居住者は確認出来ない。
「目的地の山賊要塞は?」
するとブルータルキラーが無表情で中心地に確認出来る巨山を指差したのである。
「ん?岩山みたいだな…」
中心地に聳え立つ岩山は標高五百メートル規模の巨山であり岩山の頂上には鉄塔が確認出来る。
「岩山が山賊要塞だな…」
小柄の戦闘員が恐る恐る…。
「山賊要塞を攻略するのであれば如何する?」
「こんな要塞であれば…直接的に真正面から突っ込むだけだ…」
今迄無言だったブルータルキラーが即答したのである。
「ブルータルキラーは正気か?真正面から突っ込むなんて…完全に自殺行為だぜ…」
「山賊要塞に突っ込みたいならブルータルキラー一人で突っ込みやがれ…俺達は普通の人間だから御免だぜ…」
周囲の戦闘員達はブルータルキラーの意見に全否定する。無表情だったブルータルキラーであるが…。殺気を感じさせる表情で彼等を睥睨したのである。
「ひっ!」
『此奴…殺気か!?本気の殺意を感じるぜ…』
ブルータルキラーの殺気に戦闘員達は畏怖し始める。
「山賊要塞の敵兵達は俺が完膚なきまでに打っ殺す…貴様達雑魚は山賊要塞を占拠するのだな…」
ブルータルキラーは神速のスピードで山賊要塞へと突っ込んだのである。
「ブルータルキラーの野郎…気に入らないな…」
「彼奴…一人で突っ込んじまったな…」
現在地である住宅街から山賊要塞への距離は数キロメートルと近距離でありブルータルキラーは数秒間で到達する。
復興戦争 ( No.88 )
日時: 2023/06/28 16:23:23
名前: 戦艦壱号

「敵陣には…」
ブルータルキラーは両目を瞑目させる。
『内部の敵兵は二百人前後か…』
ポストヒューマンとしての本能からか外部からでも瞬間的に内部に存在する生体反応を正確にキャッチ出来る。ブルータルキラーは山賊要塞から二百人前後の人間達の生体反応をキャッチしたのである。
「内部の敵兵を打っ殺すだけなら俺一人でも楽勝だな…」
数分間岩山の周囲を探索すると地下シェルターのハッチを発見する。
「ハッチだと?軍事用の地下シェルターか?」
ブルータルキラーは地下シェルターのハッチを開放させる。恐る恐る地下シェルター内部へと潜入したのである。
『山賊要塞に直結する地下通路か…』
地下シェルターは十数年前の世界最終戦争で住民達の避難所として利用された地下壕である。数十分後…。通路を直進し続けると目前より重厚に構築された鉄扉が確認出来る。
「此奴を破壊すれば敵地に侵入出来るな…」
左手の機械義手より内蔵された対物ライフルが出現する。
「鉄扉を破壊するだけなら此奴で事足りる…」
内蔵された対物ライフルで鉄扉を破壊したのである。周囲より爆発音が響き渡る。
「楽勝だな…」
破壊された鉄扉の奥側より…。二人の警備兵が破壊された鉄扉の瓦礫に近寄る。
「先程の爆発音は!?」
「一体何が発生しやがった!?ん!?」
ブルータルキラーに気付いたのである。
「機械式の義手だと?貴様は一体何者だ!?」
「鉄扉を破壊したのは貴様か!?」
問い掛けられたブルータルキラーは無表情で…。
「であれば如何する?」
復興戦争 ( No.89 )
日時: 2023/06/28 16:25:24
名前: 戦艦壱号

彼等はブルータルキラーの態度にピリピリする。
「貴様…」
「構わん!此奴は侵入者だ!徹底的に打っ殺せ!」
警備兵達は護身用のライフルを発砲したのである。ブルータルキラーは銃撃されたものの…。高速移動により警備兵達の銃撃を回避したのである。高速移動中に装備を対物ライフルから近接戦闘用の鉤爪に変換…。一瞬の身動きで二人の警備兵を斬撃したのである。
「ぐっ!」
「ぎゃっ!」
鉄製の床面には彼等の鮮血で赤色に染色する。
「防衛拠点に移動するか…」
ブルータルキラーは山賊要塞の最上層へと移動したのである。同時刻…。山賊要塞拠点内部では戦闘員達が立体映像である監視用のホログラムで地下通路の様子を確認したのである。ホログラムによってブルータルキラーが投影されると彼等はゾッとする。
「彼奴は伝説の殺し屋…ブルータルキラーだ!」
戦闘員達がブルータルキラーの出現に騒然としたのである。
「なっ!?ブルータルキラーだと!?本当なのか!?」
「ブルータルキラーって…ポストヒューマンの彼奴だよな!?如何して殺し屋の彼奴が万民解放軍なんかに味方しやがった!?」
「如何するよ!?地下通路を突破されちまったぞ!拠点内部に侵入されるのは時間の問題だぞ…」
復興戦争 ( No.90 )
日時: 2023/06/28 16:27:35
名前: 戦艦壱号

刻一刻と恐怖が増大化する。拠点内部の戦闘員達はブルータルキラーの襲撃に畏怖したのである。すると疲弊する戦闘員達に大柄の戦闘員が怒号し始める。
「貴様等!狼狽えるな!所詮相手は一人だぞ…総動員で武装するのだ!総動員で攻撃すれば相手が殺し屋のブルータルキラーとて…」
彼等は即座に護身用の銃火器を装備したのである。基地内であるが拠点防衛用の重戦車も数量程度配置する。
「ブルータルキラーが通信室に侵入し次第…総攻撃だぞ!」
数秒後…。頑丈に構築された鉄扉が破壊される。
「えっ!?」
「なっ!?」
無傷のブルータルキラーが通信室に侵入したのである。
「此奴…」
するとブルータルキラーは無表情で周囲を確認…。
「俺を相手にするのであれば…山賊要塞は力不足だな…」
山賊要塞に侵入したブルータルキラーは内部の防衛網を簡単に突破したのである。
「総攻撃だ!ブルータルキラーを打っ殺せ!」
通信室の戦闘員達は護身用の機関銃は勿論…。バズーカ砲でブルータルキラーを総攻撃したのである。無数の弾丸やら砲弾が炸裂…。ブルータルキラーを急襲する。
『こんな程度の攻撃で…』
ブルータルキラーは神速の身動きによって内部の戦闘員達を瞬殺…。数分間で通信室の戦闘員達を全滅させたのである。
「雑魚は片付いたな…」
復興戦争 ( No.91 )
日時: 2023/06/28 16:29:45
名前: 戦艦壱号

ブルータルキラーは山賊要塞から脱出すると待機中の精鋭部隊と合流する。
「ブルータルキラー!?山賊要塞から無事に戻れたのか!?」
「山賊要塞の雑魚は俺が排除した…貴様等は思う存分山賊要塞を占領したければ占領するだけだ…」
彼が単独で難攻不落の山賊要塞を陥落させた事実に彼等は驚愕したのである。
「はっ!?ブルータルキラーは一人で山賊要塞を陥落させたのかよ!?」
「ブルータルキラーは人型の殺人兵器なのか?」
「末恐ろしくなるぜ…」
ブルータルキラーが山賊要塞を攻略してより一時間後…。山賊要塞は万民解放軍によって完全占拠されたのである。戦闘に勝利した万民解放軍は多数の重火器は勿論…。兵員輸送用の装甲車やら重戦車を数両確保したのである。今回の山賊要塞の完全占拠によって万民解放軍の戦力は急上昇…。陸上の戦闘では実質最強クラスである。
復興戦争 ( No.92 )
日時: 2023/06/28 16:31:47
名前: 戦艦壱号

第三話

宣戦布告
同時期…。地球上の裏側では反革命防衛隊と呼称される海上の巨大勢力が各海域で大暴れしたのである。大勢力反革命防衛隊は旧世界の大文明で建造された高度の巨大兵器を多数保有…。彼等の軍事力は非常に絶大であり荒廃した地球上の約半分を占拠出来る程度には強力だったのである。陸戦最強勢力の大規模軍閥万民解放軍が奮戦する同時期…。地球上の裏側の青海原では反革命防衛隊の巨大武装大型船が目的地である南極海の島嶼へと直航する。
「大将軍♪航海は順調ですぜ♪今度の戦闘も勝利出来ますよ♪」
武装大型船の艦長は【ウィルフィールド】と名乗る人物である。ウィルフィールドは反革命防衛隊の創設者であり総軍の最高指導者として統率する。大勢の部下達からは大将軍と呼称される一方…。自軍以外の各勢力では大海原の大魔王として畏怖されたのである。今現在でこそウィルフィールドは随一の軍人であるが十数年前に勃発した世界最終戦争では旧世界連合軍の義勇兵として最前線で孤軍奮闘…。数多くの主戦場で大活躍した歴戦の猛者として知られる。
「油断は出来ない…今回の戦闘は俺達を敵対視する部落の徒党だぞ…徹底的に壊滅させなくては!」
反革命防衛隊は荒廃した新世界の大規模軍閥の一大勢力であるが…。世界各地の軍閥勢力からは極悪非道の海賊集団として嫌悪されたのである。反革命防衛隊は本拠地から出航してより一時間後…。小規模の島嶼が確認出来る距離へと到達する。
「大将軍!絶島を発見しましたぜ!」
「絶島だと?」
復興戦争 ( No.93 )
日時: 2023/06/28 16:33:57
名前: 戦艦壱号

ウィルフィールドは双眼鏡で絶島を確認したのである。絶島は全域が要塞化された城郭地帯でありウィルフィールドは目的地のサウスアイランド諸島であると認識する。
「恐らく目的のサウスアイランド諸島だ…各乗員に伝播せよ!戦闘を開始すると!」
「承知しましたぜ!大将軍!」
同時刻…。サウスアイランド諸島では本島に駐屯中の武装集団が北方の海域から一隻の武装大型船を発見する。
「なっ!?所属不明の大型船だぞ!本島に接近中だ!」
鉄塔の警備兵が呼号したと同時に島内の戦闘員達が反応したのである。
「一体何事だ!?」
「大型船だって?」
「ひょっとして反革命防衛隊の巨大戦艦なのか?」
今現在全長二百メートル以上の大型船を所有…。航行させられる軍閥勢力は実質皆無であり誰しもが反革命防衛隊であると察知したのである。反革命防衛隊の出現に島内の戦闘員達は騒然とする。守備隊は各地に設置された各砲台へと配置したのである。
「敵艦に照準させろ!」
数秒後…。
「敵軍の巨大戦艦に総攻撃だ!砲撃開始せよ!」
島内に設置された各砲台が巨大戦艦を標的に砲弾が発射されたのである。無数の砲弾が発射された同時刻…。
「大将軍!砲撃です!」
「先制攻撃か…」
巨大戦艦の艦橋ではウィルフィールドが双眼鏡で敵軍の砲台を眺望する。直後…。数発の砲弾が巨大戦艦の甲板に着弾したのである。艦体全体が一瞬グラッと振動するものの…。砲弾が着弾した部分は無傷であり実質ノーダメージだったのである。
復興戦争 ( No.94 )
日時: 2023/06/28 16:36:19
名前: 戦艦壱号

「超弩級要塞戦艦〔フリングホルニ〕は難攻不落の海上移動要塞なのだ…数発の砲弾程度で簡単に撃沈出来るか…」
超弩級要塞戦艦フリングホルニは反革命防衛隊の旗艦であり難攻不落の海上移動要塞とも呼称される。全長は四百メートル規模と規格外に大型であり本艦の装甲は特殊性超硬合金エターナルメタルが駆使され…。エターナルメタルの重厚装甲は大量破壊兵器の超高温でもビクともしない鉄壁の強度である。多数のミサイル発射機は勿論…。甲板の前方には実弾を超音速で発射出来る電磁投射連装砲が搭載される。甲板の後方には偵察用の無人機を二機搭載する。
「対地ミサイルで各地の砲台を徹底的に攻撃せよ…沿岸の敵軍を殲滅するのだ!」
ウィルフィールドの指示と同時に甲板の前後に設置された多数のミサイル発射機から十数発もの対地ミサイルが発射される。甲板から発射された対地ミサイルは数秒間で各地の砲台に着弾…。破壊されたのである。直後…。ウィルフィールドは艦内の双眼鏡で防衛機能を喪失した島内の状況を確認する。
「上陸作戦を開始する…艦内から上陸部隊を出撃させるのだ…」
フリングホルニの艦内から二隻の上陸用舟艇が出撃を開始したのである。一隻の上陸用舟艇には武装した十数人もの戦闘員達が乗艇…。彼等は島内へと上陸したのである。島内では残存した守備隊との銃撃戦が展開されるも…。銃撃戦は数時間で鎮静化したのである。総司令官のウィルフィールドは再度島内の様子を双眼鏡で確認する。
復興戦争 ( No.95 )
日時: 2023/06/28 16:38:29
名前: 戦艦壱号

「如何やら戦闘が鎮静化したみたいだな…」
「大将軍!今回も反革命防衛隊の大勝利ですね!」
フリングホルニ艦内では反革命防衛隊の圧倒的大勝利によって乗組員達が大喜びしたのである。一人の乗組員がウィルフィールドに近寄る。
「こんなにも短時間で上陸作戦が成功するとは予想外でしたね♪大将軍♪」
笑顔の乗組員にウィルフィールドは無表情で返答する。
「予想外も何も…こんな小規模の戦闘で苦戦したのでは…亜大陸の万民解放軍には勝利出来ないだろう…」
万民解放軍の一言に周囲の乗組員達は絶句したのである。
「大将軍は万民解放軍に宣戦を布告するのですか!?」
「大将軍は本気ですかい!?」
乗組員達はゾッとした表情でウィルフィールドに問い掛ける。
「当然だ…俺達反革命防衛隊は旧世界連合軍の後身であり…滅亡した旧文明を復活させる新時代の覇者なのだからな…」
本来反革命防衛隊は世界最終戦争で滅亡した旧世界連合軍の残存勢力であり反革命防衛隊の主力戦力である強襲戦艦フリングホルニも旧世界連合軍の海軍主力艦隊が保有した超弩級ミサイル艦である。勢力の中心人物であるウィルフィールドは新統一政権の樹立と旧文明の再興を主目的に活動する。
「今度の俺達の相手は仮想敵の万民解放軍だ…」
すると一人の乗組員が恐る恐る…。
「ですが大将軍…今現在万民解放軍には伝説の殺し屋…ブルータルキラーが参加したらしいですぜ…」
復興戦争 ( No.96 )
日時: 2023/06/28 16:40:31
名前: 戦艦壱号

部下のブルータルキラーの一言にウィルフィールドは一瞬ピクッと反応する。
「ブルータルキラーとは…世界最強の暗殺者の名前だったな…」
『噂話ではブルータルキラーは旧文明の科学者達が誕生させた新人類…ポストヒューマンらしいな…』
ウィルフィールドは数秒間沈黙するものの…。
「伝説の殺し屋であるブルータルキラーが相手であれば一筋縄では不可能だが…抑止力である〔ケラウノス〕を駆使すれば万民解放軍の奴等も畏怖するさ…場合によっては戦闘が発生せず投降するだろうよ…」
「なっ!?ケラウノスですって!?」
ケラウノスの一言に乗組員達は身震いしたのである。
「大将軍!?大量破壊兵器のケラウノスなんか駆使しちまったら…全世界が再度滅亡しちまうぜ!大将軍は本気なのですか!?」
ケラウノスとは所謂大量破壊兵器の一種であり反革命防衛隊は最終手段としてケラウノスを保有する。本来は抑止力としての代物であるが…。ウィルフィールドは仮想敵である万民解放軍との大激戦にケラウノスの使用も検討したのである。
「大将軍は世界最終戦争を再現させたいのですか!?」
周囲の部下達はケラウノスの使用に猛反対する。
「俺達の目的は旧世界連合による統一政権の再興なのだ…万民解放軍の存在は俺達にとって脅威だからな…」
すると数人の乗組員がウィルフィールドの思惑に賛成したのである。
「俺達は大将軍の意向に賛成しますよ!」
「俺達にとって万民解放軍は最大の大敵なのです!徹底的に万民解放軍の奴等を壊滅させましょう!」
周囲の乗組員達は一部の賛同者に絶句する。反革命防衛隊によるサウスアイランド諸島の攻略作戦から一週間後…。
ホムンクルス独立戦争 ( No.97 )
日時: 2023/06/28 17:05:37
名前: 戦艦壱号

第一話

独立宣言
人類史上最大の戦争…。第三次世界戦争が終結してより二十五年後の出来事である。世界暦五千五百二十二年七月十六日…。大戦後に発足した新世界連合軍は人工性新人類であり男性型人造人間〔ホムンクルス〕の開発に成功する。同年に誕生したホムンクルスは総勢二十万人規模だったのである。世界暦五千二十二年以後…。毎年数十万人ものホムンクルスが大量生産され彼等は労働者として活用されたのである。人工奴隷の彼等が開発された経緯として近年人口減少が各地で大問題化…。労働人口の解決策として新世界連合政府は高度化した科学技術を利用して人工奴隷の製造を計画したのである。当初は多数の人間達が倫理観の問題から人工奴隷の製造に大反対…。問題化するも一部の政府高官が倫理観を度外視して人工奴隷ホムンクルスの製造を強行したのである。大量生産されたホムンクルスは非常に優秀であり一定の教育期間を修了すると強制的に労働者として配置され…。現場にて精一杯尽力したのである。一方…。大半の人間達は大富豪として贅沢したのである。こんな状況下…。一部のホムンクルスが自分達を奴隷的に強制労働させる実態に疑問視し始めたのである。数年が経過すると人間達に対する不満と差別意識が芽生え始める。各地でホムンクルスによる犯罪行為が頻発したのである。十五年後の世界暦五千五百三十七年二月十五日…。ホムンクルスによる反政府活動が活発化し始める。今年度を契機にホムンクルスによる犯罪件数が激増…。社会問題化する。政府は警察力の強化と犯罪を厳罰化するも効果は皆無であり治安が悪化したのである。
ホムンクルス独立戦争 ( No.98 )
日時: 2023/06/28 17:07:52
名前: 戦艦壱号

政府高官の一人【ウィルフィールド】はホムンクルスの解放を提唱…。政府に彼等の自治権を要求したのである。ウィルフィールドの提唱に感化されホムンクルスは独立心が芽生え始める。世界暦五千五百三十八年五月六日…。北方の海域に存在する絶島タルタリス列島にて一部の第一世代ホムンクルスによる独立が宣言されたのである。彼等に影響されたのか各地で強制労働させられるホムンクルスもタルタリス列島に亡命し始め…。タルタリス列島の総人口は総勢五万人規模に増大化したのである。世界暦五千五百三十九年三月二十八日…。タルタリス列島にて史上初のホムンクルスによって組織された軍事組織タルタリス常備軍を創設されたのである。世界暦五千五百三十七年四月四日…。タルタリス列島にて史上初のホムンクルス主体新国家〔タルタリス共和国〕樹立を宣言したのである。タルタリス共和国の独立宣言から四日後の四月八日…。会議室にて数人のホムンクルスが集合したのである。
「俺達は自由だぞ…強制労働から解放されたのだ!」
「今後…俺達は俺達の意思で行動するべきですね…」
すると一人の小柄のホムンクルスが提案する。
「一か八かですが…提唱者であるウィルフィールド高官をタルタリス共和国の国家元首に任命出来ませんかね?一国のリーダーは必要不可欠かと…」
小柄のホムンクルスの提案に周囲の者達は猛反対したのである。
「愚か者が!ウィルフィールドは人間だぞ!人間は誰一人として亡命させないぞ!」
「所詮彼奴だって人間の政治家だ…人間の政治家は信用出来るか…」
「俺達を好き放題利用するだろうよ…汚職だって想像出来る…」
ホムンクルス独立戦争 ( No.99 )
日時: 2023/06/28 17:09:58
名前: 戦艦壱号

現実問題…。国内に亡命したホムンクルスは大半が人間達に差別された者達であり人一倍人間達を憎悪したのである。すると金髪碧眼の美青年らしきホムンクルスが小柄のホムンクルスに賛同する。
「ウィルフィールド高官が提唱しなければ私達は今現在も強制労働の毎日だったのも事実…彼を一国の国家元首に任命するのも悪くないかと…」
金髪碧眼の美青年は【フィルドルク】と命名されるホムンクルスの一人であり職業は評議会議員である。フィルドルクは非常に知的であり物事を客観視出来る。
「ウィルフィールド高官は改革派の人物ですからね…私達ホムンクルスにとっては唯一の理解者でしょう…是非ともタルタリス共和国に亡命させるべきかと…」
ウィルフィールドは改革派の一人であり今現在の政府の実態を問題視…。変人と揶揄され政府内部では孤立状態だったのである。フィルドルクの発言から周囲の者達は一瞬沈黙する。
「如何する?ウィルフィールドを出迎えるか?」
「仕方ないな…今現在の状態では中途半端だからな…」
桜花姫シリーズ ( No.100 )
日時: 2023/07/02 11:03:09
名前: 戦艦壱号

桜花姫よ…
永遠に…

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