宇宙大動乱 ( No.61 ) |
- 日時: 2021/03/25 17:53:58
- 名前: 月影桜花姫
- 『ハイパードローン』
諸元 機種:無人機 所属:ホープセイバーズ 生産数:900万機 全長:12m 全幅:8m 全高:4m 総重量:8t 全速力:マッハ22〜超光速 武装 50mm対空用パルスレーザー:2基 新型光子魚雷:2基
作中用語 『ケラウノス』巨大殲滅兵器 『サイクロプス』対空防衛巨大兵器 『エターナルメタル』特殊超合金 『スーパーリアクター』無限動力炉 『ハイパーリアクター』新型無限動力炉
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宇宙大動乱 ( No.62 ) |
- 日時: 2021/03/25 17:56:05
- 名前: 月影桜花姫
- 第一話
艦隊戦闘 太古の大昔…。宇宙新暦七百二十一年四月五日午前一時の出来事である。とある銀河系では複数の巨大宇宙勢力が度重なる戦乱を頻発させる。太陽系から推定八万光年の宙域では銀河系全域を統治する『銀河帝国』の宇宙大艦隊…。国民主義実現を主目的に活動する反政府勢力である『リベレーターズ』の宇宙大艦隊が激突したのである。銀河帝国軍宇宙軍主力艦隊旗艦…。宇宙戦艦『セイバードラゴン』ではブリッジの乗組員がリベレーターズの宇宙艦隊を発見する。 「艦長!本艦のスペースレーダーが推定九百光年の宙域より敵軍の宇宙艦隊に反応しました!」 セイバードラゴンは銀河帝国軍の主力宇宙戦艦であり地上の水上艦を連想させる巨大宇宙戦艦である。長距離索敵と誘導兵器の使用は勿論…。本艦一隻のみで数千キロメートルサイズの惑星表面を一掃させられる攻撃力を保持する。艦内には一隻だけで合計九十機もの宇宙用の艦載機を搭載出来る。本艦にとっての最大の武装は主砲である高エネルギーを放出する口径八百ミリメートルの高エネルギー連装砲である。主砲の威力は高火力であり数百メートルサイズの宇宙戦艦を一撃で撃沈出来ると推測される。本艦のレーダー射撃は高水準であり主砲の命中精度は八十五パーセントとも豪語される。本艦のサイズは全長八百メートルサイズで全幅六百メートルサイズ…。総重量は五百万トンと規格外に巨大であり現存する銀河帝国軍主力艦隊では最大級の超巨大宇宙戦艦である。動力炉は『スーパーリアクター』が搭載され燃料の補給は不要であり半永久的に航行出来る。 「敵軍の宇宙艦隊を発見したか…」
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宇宙大動乱 ( No.63 ) |
- 日時: 2021/03/25 17:58:18
- 名前: 月影桜花姫
- セイバードラゴンの艦長は銀河帝国の大総統…。【アルバード】である。アルバードは年齢三十歳の青年であるが外見的には美少年であり十代後半にも間違われる。本来であればアルバードは最前線での戦闘では参加しない立場であるものの…。少年時代の従軍経験から積極的に最前線での指揮を自発的に執行する。
「味方の全艦隊に伝播せよ…敵軍の宇宙大艦隊を発見したと…」 「はっ!承知しました!」 通信兵がアルバードに敬礼するなり全艦隊に敵艦隊発見の情報を通信させる。銀河帝国軍宇宙艦隊は大総統アルバードの乗艦する主力艦セイバードラゴンを先頭に推計七万隻もの宇宙艦隊が追尾する。旗艦セイバードラゴン艦内ではアルバードが再度指示したのである。 「最大船速でワープ機能を作動させろ…一瞬で敵軍艦隊の真正面に突入するぞ…」 「はっ!ワープ機能作動!」 乗組員がワープ機能を作動させる。すると味方の宇宙艦隊もワープ機能を作動させ最前線へと突入したのである。同時刻…。リベレーターズ宇宙軍艦隊は合計一万四千隻もの大規模艦隊であり旗艦は宇宙戦艦『サラマンダー』である。サラマンダーは全長七百八十メートルサイズで全幅五百四十メートルサイズ…。総重量は三百万トンもの大型宇宙戦艦である。旧型の宇宙戦艦であるが艦載機の総数は合計百五十機前後であり艦載機の総数のみなら銀河帝国軍のセイバードラゴンをも上回る。本艦の動力炉はスーパーリアクターであり燃料は不要である。 「艦長!スペースレーダーが反応しました!」 サラマンダーに搭載されたスペースレーダーが反応する。 「正体不明の無数の移動物体が超光速で味方艦隊に接近中です!移動物体の総数は推計七万以上…」
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宇宙大動乱 ( No.64 ) |
- 日時: 2021/03/25 18:00:08
- 名前: 月影桜花姫
- 旗艦サラマンダーの艦長は【ペルフィリオ】である。階級は中将であり本来は銀河帝国軍親衛隊の総司令官であったが…。アルバードによる独裁政治を見限り脱退する。今現在は反政府組織であるリベレーターズを創設…。国民主権の独立宇宙民主国家を目標に銀河系全域を支配する銀河帝国に宣戦を布告する。
「恐らく敵軍の艦隊だろう…」 すると直後…。リベレーターズ宇宙艦隊から推定三百光年の宙域より数万隻もの艦影が突如として出現したのである。 「艦長!敵艦隊です!総数七万隻…大艦隊です!」 「敵艦隊の総数は七万隻か…」 今現在投入された戦力では銀河帝国軍艦隊が宇宙艦艇七万隻以上…。相対するリベレーターズ宇宙艦隊の宇宙艦艇は一万四千隻程度でありリベレーターズが圧倒的に不利である。 「直進せよ…」 ペルフィリオが艦隊の直進を指示すると全艦隊が銀河帝国軍宇宙艦隊に接近する。同時刻…。銀河帝国軍宇宙艦隊旗艦セイバードラゴンではリベレーターズ宇宙艦隊の接近を確認する。 「艦長!敵艦隊が味方艦隊に接近中です!如何されますか?」 問い掛けられたアルバードは無表情で…。 「急接近する敵艦隊を排除せよ…全軍…総攻撃開始!」 最前線の宇宙戦艦部隊を中心に全艦が砲撃を開始したのである。数秒間に数万発もの蛍光色の光線が射出され…。接近するリベレーターズ艦隊に砲撃したのである。宇宙戦艦部隊はシールド機能によって光線を無力化するが…。宇宙駆逐艦クラスの小型艦はシールド機能が最小限化された代物であり簡単に撃沈されたのである。一度の攻撃でリベレーターズ宇宙艦隊の二十パーセントが喪失…。多数の小型艦が損傷したのである。
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宇宙大動乱 ( No.65 ) |
- 日時: 2021/03/25 18:01:44
- 名前: 月影桜花姫
- 「宇宙戦艦クラスの大型艦には光子魚雷…多目的ミサイルで対応せよ…」
旗艦セイバードラゴンの艦長…。アルバードの指示と同時に最前線の宇宙戦艦部隊が光子魚雷攻撃と多目的ミサイルで攻撃したのである。無数の実弾兵器が超光速で接近…。リベレーターズ宇宙艦隊の大型艦に命中したのである。宇宙戦艦クラスの大型艦十数隻が轟沈…。数十隻の大型艦を大破される。シールド機能を搭載する大型の敵艦を撃沈させるのに効果的だったのは光子魚雷である。光子魚雷とは超光速で発射させる宇宙用の魚雷であり破壊力は三千キロメートルクラスの小惑星を一撃で破壊させられる代物である。光子魚雷一発でも重厚装甲の大型宇宙戦艦は数十隻撃沈させられる。爆沈する宇宙艦艇より多数の乗組員達が宇宙空間へと吹っ飛ばされる。リベレーターズ宇宙艦隊旗艦のサラマンダーにも多目的ミサイルが命中…。艦首が大破したのである。 「艦首が被弾しました!」 「被害状況は?」 ペルフィリオが問い掛ける。 「艦首は大破です…」 「大破したのが艦首のみであれば…戦況には問題無さそうだな…」 ブリッジの乗組員が恐る恐る…。 「ですが奴等の多目的ミサイルと光子魚雷は味方艦艇のシールドを透過しました…一体奴等は実弾兵器に何を細工したのでしょうか?」 長期間の宇宙航行を想定した宇宙用の艦船には宇宙デブリやら小惑星の衝突を無力化するシールド機能が搭載されるのが基本である。 「恐らく奴等の実弾兵器にはシールドジャミング装置を搭載させたのであろうな…」
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宇宙大動乱 ( No.66 ) |
- 日時: 2021/03/25 18:04:27
- 名前: 月影桜花姫
- シールドジャミング装置とは銀河帝国軍が最新式の科学技術を駆使して開発した特殊装置…。大型艦に搭載されたシールド機能を妨害させ高確率で実弾兵器を目標に直撃させられる。光子魚雷と多目的ミサイルによるアウトレンジ戦法によってリベレーターズのサラマンダー級大型宇宙戦艦五十二隻が撃沈…。三百四十八隻の大型宇宙戦艦が大破したのである。大型宇宙戦艦以外の小型艦艇は数百隻が撃沈…。数千隻が大破したのである。旗艦サラマンダーでは銀河帝国軍の猛攻撃に畏怖したブリッジの乗組員が撤退を要請する。
「ペルフィリオ艦長!即刻艦隊を撤退させましょう!敵軍の総攻撃で多数の味方艦艇が撃沈されました…戦闘を継続すれば全滅しますよ!」 するとペルフィリオが無表情で…。 「狼狽えるな…」 戦局は圧倒的にリベレーターズが不利であるがペルフィリオは平常心であり周囲の乗組員達は不思議がる。 (こんなにも劣勢なのに冷静なんて…) 同時刻…。銀河帝国軍宇宙艦隊旗艦であるセイバードラゴンの艦内では乗組員達が爆散する敵艦の光景を眺望する。 「アルバード大総統♪銀河帝国軍の優勢です!」 「銀河帝国軍の圧勝は確実だな♪」 「所詮リベレーターズなんて一部のカルト集団だ…銀河帝国軍が本領を発揮すれば簡単に殲滅出来るさ♪」 銀河帝国軍ではリベレーターズは少人数のカルト集団…。テロリスト程度の存在であると認識される。誰しもが銀河帝国軍の圧勝を確実視するのだが…。大総統であるアルバードだけは表情が険悪化する。一人の乗組員が恐る恐る…。 「大総統…如何されましたか?」 するとアルバードが苛立った表情で返答する。 「敵艦隊は囮艦隊だろう…此奴は恐らく陽動作戦だ…」
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宇宙大動乱 ( No.67 ) |
- 日時: 2021/03/25 18:06:25
- 名前: 月影桜花姫
- アルバードが陽動作戦の可能性を指摘した直後…。スペースレーダーが反応したのである。
「スペースレーダーが反応しました!」 「スペースレーダーだと!?一体何事だ!?」 周囲の乗組員達は突如として反応したスペースレーダーに動揺する。 「味方艦隊後方より無数の移動物体が確認されました!サイズは小型の機影…」 「小型の機影だと?」 小型の機影の一言にアルバードが反応したのである。 「恐らく宇宙戦闘機かと…総数は三十万機…敵機部隊との距離は推計七百光年です…」 「三十万機か…全部隊に対空戦闘を通信させろ…」 「はっ!承知しました!」 通信兵が全艦隊に対空戦闘用意を通信させる。リベレーターズの宇宙航空機部隊がワープ機能を使用…。一秒間で銀河帝国軍宇宙艦隊上空へとワープしたのである。銀河帝国軍宇宙艦隊のスペースレーダーが再度反応する。 「スペースレーダーが反応しました!艦隊の上空より無数の敵機です!」 「敵機部隊はワープ機能で到達したか…」 アルバードは一瞬沈黙するものの…。 「上空の敵機を撃墜…迎撃機を出撃させろ…」 「承知しました…」
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宇宙大動乱 ( No.68 ) |
- 日時: 2021/03/25 18:08:27
- 名前: 月影桜花姫
- 銀河帝国軍の宇宙艦艇は宇宙用の対空砲で迎撃…。セイバードラゴン級大型宇宙戦艦からは多数の宇宙戦闘機『スペースバード』が出撃する。スペースバードは全長十六メートル…。全幅七メートルの宇宙戦闘機である。スペースレーダーが搭載され機体前方には二基の対空用パルスレーザーが装備される。両翼には対艦戦闘用の多目的ミサイルは勿論…。光子魚雷も搭載可能である。二十年前に開発された旧型の機体であるが大勢のパイロット達が本機を愛用…。今現在でも現役の主力戦闘機である。出撃した多数のスペースバード航空隊と銀河帝国軍宇宙艦隊の対空砲は小型の高エネルギー機関砲が炸裂…。敵機に攻撃するのだが敵機は機体に新型シールド機能を搭載された新型機であり対空用の高エネルギー機関砲が命中しても無力化される。
「大総統!敵機に攻撃しても撃墜出来ません!」 「新型機だな…ホログラムを作動させろ…」 ホログラムを作動させると新型機の立体映像が生成されたのである。 「此奴は恐らく無人機の『スペースドローン』だな…」 スペースドローンとは所謂宇宙用のドローンであり無人兵器に分類される。銀河帝国軍にも偵察用のドローンは利用されるが…。リベレーターズは戦闘に特化された新型ドローンを多数開発したのである。リベレーターズの新型ドローンは高出力の光学兵器の搭載…。宇宙戦艦の艦砲射撃をも無力化する新型シールド機能が搭載されたのである。ドローン技術のみならリベレーターズは銀河帝国の技術レベルを数段階上回る。
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宇宙大動乱 ( No.69 ) |
- 日時: 2021/03/25 18:11:11
- 名前: 月影桜花姫
- 「リベレーターズは無人機を戦闘用に特化させたか…」
同時刻…。リベレーターズのスペースドローンがスペースバード航空隊と銀河帝国軍宇宙艦隊の各艦に急襲したのである。スペースドローンは機体底部に搭載された対艦戦闘用の大型ミサイルで攻撃…。宇宙駆逐艦クラスの小型宇宙艦艇は一機のスペースドローンに撃沈されたのである。本来銀河帝国軍の宇宙艦艇には外部からの物理攻撃を無力化するシールド機能が搭載されたが…。リベレーターズのスペースドローンの機体内部には特殊電磁パルス発生装置が搭載され本機が接近すると接近された宇宙艦艇はシールド機能が使用出来なくなる。スペースドローンの電磁パルス発生装置によって銀河帝国軍宇宙艦隊の各艦はシールド機能が停止…。一方的に攻撃されたのである。必死に迎撃するスペースバードもスペースドローンの攻撃によって多数の機体が撃墜…。数万人ものパイロット達が戦死する。機体底部に対艦戦闘用の固定型高エネルギー機関砲を搭載したスペースドローンはセイバードラゴン級大型宇宙戦艦を砲撃…。一撃で撃沈したのである。三分間の戦闘で六隻ものセイバードラゴン級大型宇宙戦艦が撃沈される。 「大総統!スペースドローンの出現によって味方艦隊が混乱中です!」 すると直後…。 「スペースレーダーが反応しました!一機のスペースドローンが本艦に急接近中です!」 スペースレーダーが接近中のスペースドローンに反応したのである。スペースドローンが旗艦のセイバードラゴンに接近するとシールド機能が強制的にスリープモードへと移行…。シールド機能が使用出来なくなる。 「大変です!本艦のシールド機能が無力化されました…」 セイバードラゴンのシールド機能の停止によって乗組員達は動揺する。
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宇宙大動乱 ( No.70 ) |
- 日時: 2021/03/25 18:12:42
- 名前: 月影桜花姫
- 「狼狽えるな…」
こんな絶望的状況下であってもアルバードは冷静であり周囲の乗組員達は非常に不思議がる。直後…。対艦戦闘用の高エネルギー機関砲を搭載したスペースドローンがセイバードラゴン艦尾に搭載されたロケットエンジンに砲撃したのである。艦内に爆発音が響き渡る。 「一体何が!?」 アルバードが無表情で…。 「恐らく艦尾のロケットエンジンが破壊されたな…」 先程の攻撃によってセイバードラゴンは航行出来なくなる。 「大総統…脱出しましょう…こんな場所で長居し続けては本艦諸共…」 アルバードは一瞬躊躇うが…。 「止むを得ないな…」 アルバードと十六人の乗組員達は即座に脱出用のポッドに乗艇すると航行不能のセイバードラゴンから脱出したのである。セイバードラゴンは二度目の光子魚雷攻撃で爆散…。撃沈されたのである。乗組員達は轟沈するセイバードラゴンに絶句する。 「大総統…危機一髪でしたね♪」 一人の乗組員が笑顔で大総統に発言するのだが…。 「何が危機一髪だ…」 アルバードは睥睨したのである。 「ひっ!」 睥睨するアルバードに周囲の乗組員達はゾッとする。 「敵軍の一個艦隊程度に敗北とは…」
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宇宙大動乱 ( No.71 ) |
- 日時: 2021/03/25 18:14:14
- 名前: 月影桜花姫
- 同時刻…。多数のスペースドローンを搭載した宇宙戦闘母艦『レヴィアタン』が銀河帝国軍宇宙艦隊の後方よりワープ機能で出現する。リベレーターズの本隊である宇宙機動部隊は超大型宇宙戦闘母艦レヴィアタンを中心に六十隻の宇宙用の空母戦闘艦隊が奇襲に参加したのである。宇宙戦闘母艦レヴィアタンはリベレーターズが独自で開発した本格的宇宙母艦であり艦載機は有人型の宇宙戦闘機ではなく無人兵器のスペースドローンを四百機程度搭載する。艦体のサイズは全長九百六十メートル…。全幅は五百三十メートルであり艦体の総重量は推定六百二十万トンにも相当する。兵装は宇宙巡洋艦に匹敵する高エネルギー主砲が二基搭載され四基の対空パルスレーザーが装備される。六十隻ものレヴィアタン級宇宙戦闘母艦が背後から銀河帝国軍宇宙艦隊を砲撃する。スペースレーダーによる艦砲射撃により命中精度は八十パーセントと正確であり多数の宇宙艦艇を撃破したのである。同時刻…。脱出ポッドに乗艇したアルバードは撤退を決意したのである。
「全艦隊に撤退の命令を通信させろ…」 「承知しました…」 通信兵は即座に撤退命令を通信させる。同時に戦闘中の宇宙艦艇はワープ機能を作動…。推定四万光年に位置する銀河帝国本土へと一瞬でワープしたのである。
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宇宙大動乱 ( No.72 ) |
- 日時: 2021/03/25 18:15:45
- 名前: 月影桜花姫
- 「本船もワープさせろ…」
アルバードが乗艇する脱出ポッドも一秒間で銀河帝国本土『エデンランド』へとワープ…。エデンランドとはテラフォーミングによって地球型惑星に改装された海水の小惑星であり銀河帝国軍本隊の本拠地である。アルバードは無事にエデンランドへと戻ったのである。同時刻…。リベレーターズ宇宙艦隊旗艦のサラマンダーのブリッジでは乗組員達がワープ機能で撤退する銀河帝国軍宇宙艦隊を眺望する。 「艦長!敵軍が撤退します!」 ペルフィリオは無表情で…。 「防衛作戦は成功したが…陽動作戦の囮艦隊は壊滅状態だな…」 今回の宇宙戦闘では銀河帝国軍は宇宙戦艦三百四十八隻…。宇宙巡洋艦千二百六十七隻と二万隻以上の小型宇宙艦艇が撃沈されたのである。一方のリベレーターズは宇宙戦艦二百四十九隻…。宇宙巡洋艦六百九十四隻と一万五千六百三十八隻の小型宇宙艦艇が撃沈されたのである。人的損害では銀河帝国軍は推計八十万人もの将兵が戦死…。リベレーターズでは推計四十万人もの将兵が戦死したのである。今回の宇宙戦闘は四月五日戦争と命名される。
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宇宙大動乱 ( No.73 ) |
- 日時: 2021/03/25 19:39:15
- 名前: 月影桜花姫
- 第二話
奇襲作戦 四月五日戦争から三日後の四月八日十六時…。銀河帝国軍宇宙艦隊はリベレーターズの宇宙機動部隊の奇襲攻撃によって敗北してよりアルバードは非常にピリピリした様子で大総統官邸の自室にて無人兵器の資料を徹底的に黙読したのである。 (今後の戦闘では…無人兵器が役立ちそうだな…) 今迄は無人兵器の有効性は偵察以外では限定的と判断されたが…。四月五日戦争により無人兵器の有用性が証明されたのである。すると何者かが自室のドアをノックする。 「誰だ?」 大柄の白人男性がアルバードの自室に入室したのである。 「失礼します…アルバード大総統♪」 大柄の白人男性はヘラヘラした様子でありアルバードは彼を直視すると余計にピリピリする。 「貴様は…【プランクリン】副総統か…」 プランクリンとは碧眼金髪の白人男性でありアルバードが唯一悪友と認識する人物である。今現在は副総統の立場であるが…。彼自身も少年時代は銀河帝国軍の将兵であり各地の戦闘で活躍したのである。 「アルバード大総統♪ピリピリしちゃって如何されましたか♪三日前の四月五日戦争は残念でしたね…」 プランクリンの発言にアルバードは小声で…。 「貴様…」 「失礼です♪失礼です♪」 プランクリンは笑顔で謝罪する。ヘラヘラするプランクリンであるが表情が変化したのである。 「訓練中の【ホムンクルス】ですが…三日後には実戦配属出来るみたいです…」 ホムンクルスとは十五年前から開発されたクローン人間であり度重なる戦争やら内戦によって人間の将兵が不足…。クローン人間の兵士の開発が浮上したのである。今現在は推計二千万人のホムンクルスが大量生産され…。正規軍として実戦に参加出来そうなホムンクルスは推計五百万人である。
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宇宙大動乱 ( No.74 ) |
- 日時: 2021/03/25 19:42:33
- 名前: 月影桜花姫
- 「彼等が実戦に参加出来れば…今後の作戦では人間の兵士は不要だからな…」
ロボット技術やら人工知能が格段に発達した近年では兵力の縮小が開始される。数年後…。銀河帝国軍はホムンクルスと人工知能搭載型兵器のみの軍事組織に変化すると予測されたのである。 「であれば今後は理想の戦争が実現しそうですな♪人間の兵士が戦闘しなくてもホムンクルスを最前線の兵士として代替出来るのですから♪」 「結局貴様の用事とは?」 アルバードが問い掛けるとプランクリンは笑顔で…。 「新型兵器の完成と開発プランが完了しました…即刻軍事工場で見物しませんか?」 「承知した…」 アルバードは無表情で承諾したのである。彼等は外出するとスカイカーで軍事工場へと移動する。三十分後…。軍事工場は首都からは非常に近辺であり 三十分程度で到着する。 「即刻完成した新型兵器を見物させろ…」 「承知しました…」 プランクリンは恐る恐るアルバードに道案内したのである。 「久方振りに見物したが…無人だな…」 軍事工場は基本的に無人であり作業用のロボットが兵器を製造する。 「最近はロボット技術の向上で人間の作業員が必要無くなりましたからね…」 近年ではロボットの普及によりあらゆる企業が管理人を一人配置するのが一般化したのである。彼等は地下に存在する宇宙船の巨大造船施設へと進入…。 「新型艦か…」 地下の巨大造船施設には数百隻もの宇宙艦艇が確認出来る。 「先日の四月五日戦争では反政府勢力のリベレーターズによって銀河帝国軍の宇宙艦隊が手酷く撃破されましたからね♪」 三日前の四月五日戦争では当初の想定を上回る予想外の大損害により宇宙艦隊の再建が急行されたのである。
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宇宙大動乱 ( No.75 ) |
- 日時: 2021/03/25 19:44:21
- 名前: 月影桜花姫
- 「建造中の宇宙艦隊は三日後には完成するでしょうし…一週間後には各部隊に配属させられますよ♪」
するとプランクリンは新型艦を紹介する。 「最初に紹介する新型艦は宇宙巡洋艦…『リトルヴィーナス』です…」 リトルヴィーナスとは銀河帝国軍宇宙軍が開発した新型宇宙巡洋艦である。全長二百メートル…。全幅百四十メートルの大型巡洋艦であり総重量は推定五万トンである。兵装は口径三百ミリメートルの高エネルギー連装砲が三基装備され両サイドの片舷には光子魚雷発射機が二基搭載される。本艦の最大の利点は対空装備であり宇宙巡洋艦であるが対空パルスレーザーが合計十二基搭載されたのである。乗組員は全自動化を考慮…。通常の乗組員は三人であるが場合によっては一人だけでも操縦出来る。 「基本的にリトルヴィーナスは主力艦の護衛に利用されるでしょうね…」 アルバードは宇宙巡洋艦には無関心だったのかノーコメントだったのである。 (大総統…) アルバードの無関心の態度にプランクリンは苦笑いする。 「此奴は…」 アルバードが指差した方向には全長五百メートルサイズのドッグに確認出来る未完成の宇宙戦艦だったのである。 「宇宙戦艦なのか?建造中みたいだが…」 プランクリンとはニヤッとした表情で即答したのである。 「ドッグに確認出来る建造中の軍艦は久方振りの新型宇宙戦艦ですよ♪」 「新型宇宙戦艦だと?セイバードラゴンの後継艦か…」 銀河帝国軍はセイバードラゴンが建造されて以来…。後継艦の建造は計画されなかったのである。近年とある新兵器の開発が浮上…。とある新兵器を搭載可能である宇宙戦艦の建造が急遽計画されたのである。
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宇宙大動乱 ( No.76 ) |
- 日時: 2021/03/25 19:46:32
- 名前: 月影桜花姫
- 「新型宇宙戦艦とやらはセイバードラゴンの二分の一程度のサイズだな…」
ドッグのサイズから全長は四百メートルサイズの宇宙戦艦であると推測する。 「ですが新型宇宙戦艦が完成すればセイバードラゴンを上回る性能が期待出来ましょう♪」 アルバードは無表情で…。 「性能が上回っても無用の長物なら御免だが…」 「大総統…」 (本当に偏屈だな…) アルバードの発言にプランクリンは人一倍偏屈であると感じる。するとアルバードはフッとした表情で問い掛ける。 「今後の開発プランとやらは?」 「今後の開発プランは四月五日戦争でリベレーターズが投入したスペースドローンに対抗出来る戦闘用ドローンの開発ですよ♪」 アルバードは四月五日戦争の翌日…。軍政部に戦闘用ドローンの重要性と開発を強引に説得させ戦闘用ドローンの開発計画が実行されたのである。幸運にも銀河帝国軍宇宙艦隊の宇宙救助船が故障により全機能停止したリベレーターズのスペースドローンを発見…。機体を鹵獲したのである。スペースドローンは機内の故障のみで全体的にノーダメージであり軍関係の技術者達は徹底的に機体を解析する。 「戦闘用ドローンの開発計画は順調みたいだな…」 「勿論ですとも♪機体の解析が順調に進行すれば…銀河帝国軍でも独自の戦闘用ドローンの製造が開始されましょう…」 すると直後…。アルバードが所持する非常用の携帯型通信機が作動したのである。 「ん?通信機だと?」 アルバードは応答する。 「私だが…一体何事だ?」 「アルバード大総統!大変です!」
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宇宙大動乱 ( No.77 ) |
- 日時: 2021/03/25 19:48:27
- 名前: 月影桜花姫
- 「貴様は【ジプリール】少将か…一体何が発生した?」
アルバードに通信した相手は少将のジプリールだったのである。ジプリールは銀河帝国軍の軍人であるが…。非常に穏健派であり強硬派の軍人達とは常日頃から対立する。 「先日の四月五日戦争の敗北によってリベレーターズに影響された民衆達が各惑星で暴動を発生させたとの情報です…」 四月五日戦争での敗北から銀河帝国の威厳が没落…。暴動を発生させた各惑星の住民達は民主化運動に尽力中のリベレーターズを支持したのである。軍内部からも離反した脱走兵がデモ隊に協力…。各惑星にて地上の治安部隊とデモ隊による内紛が彼方此方で勃発したのである。ジプリールはソワソワした様子であったがアルバードは呆れ果てた様子で…。 「愚民の暴走程度で報告するな…」 アルバードの予想外の返答にジプリールは一瞬黙り込む。 「愚民達のデモ隊なんて…国軍の宇宙艦隊を派遣して鎮圧作戦を開始しろ!大気圏から光子魚雷を投下すれば簡単に鎮圧出来るだろう…」 「ですが大総統…国軍の宇宙艦隊を出撃させれば大勢の民間人が…」 躊躇するジプリールにアルバードは苛立ったのである。 「数億人程度の愚民に遠慮して如何する?デモ隊の暴動程度に畏怖するなら即刻宇宙艦隊を派遣させ…奴等を沈黙させろ…」 ジプリールは一瞬沈黙するものの…。 「承知しました…大総統…」 アルバードの命令に承諾したジプリールであるがプルプルした様子で通信を遮断させる。 「ジプリールは本当に弱腰だな…」 ジプリールを弱腰と罵倒するアルバードにプランクリンは恐る恐る…。 「ですが大総統…各地域でデモ隊の活動がエスカレートし続ければ銀河帝国にとって非常に不都合ですよ…最悪銀河帝国が内部分裂すればリベレーターズの思う壺でしょう…」
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宇宙大動乱 ( No.78 ) |
- 日時: 2021/03/25 19:49:57
- 名前: 月影桜花姫
- 「であれば一日も早くリベレーターズの本土を攻略しなくては…」
同日…。暴動が発生した各惑星には六個師団の大規模宇宙艦隊が派遣され艦隊の主力艦であるセイバードラゴン級大型宇宙戦艦が各惑星の大気圏から地上を目標に光子魚雷を発射したのである。一発の光子魚雷により大都市諸共数千万人の住民達が死滅…。一度の鎮圧作戦で敵味方の合計死者数は推計十二億人を上回ったのである。同時刻…。リベレーターズの本拠地であり母星であるヘブンスター議会場では銀河帝国軍による暴動鎮圧の情報が急報されたのである。総帥ペルフィリオの右腕とも命名される【ピルセウス】がソワソワした様子で議会場へと入室する。「ペルフィリオ総帥!大変です!」 「ピルセイス大佐か…何事だ?」 ピルセウスとは若齢の職業軍人であり年齢は二十歳の青年であるが階級は大佐…。非常に優秀でありリベレーターズではペルフィリオが唯一信頼する最高の部下である。 「銀河帝国軍が自国内で発生した暴動を鎮圧したみたいですが…彼等の鎮圧作戦によってデモ隊のみならず…推計十二億人以上の非戦闘員が虐殺されたとの情報です…」 ピルセウスが最高指導者のペルフィリオに伝達する。 「なっ!?虐殺だと!?奴等…デモ隊だけではなく自国内の国民をも殺害したのか?」 「残念ですが…本当みたいです…」 「銀河帝国…アルバードは悪魔みたいな人間だな…」 人一倍銀河帝国のアルバードを毛嫌いしたが…。今回のデモ隊虐殺事件から今迄以上にアルバードに対する嫌悪感が増大化したのである。 「最早銀河帝国のアルバードは野放しには出来ない…」 ペルフィリオは一瞬沈黙するなり…。
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宇宙大動乱 ( No.79 ) |
- 日時: 2021/03/25 19:51:58
- 名前: 月影桜花姫
- 「即刻大艦隊を準備させろ!リベレーターズの宇宙艦隊を再編制させ…銀河帝国本土…エデンランドに宇宙艦隊を派遣…奇襲作戦を実行する…」
ペルフィリオのエデンランド奇襲攻撃の発言にピルセウスは驚愕する。 「えっ!?総帥…エデンランドへの奇襲作戦なんて本気ですか!?」 「私は当然…本気だ!」 「ですが総帥…エデンランドへの攻撃は実質自爆攻撃と一緒ですよ!ヘブンスターから銀河帝国本拠地エデンランドを攻略するには小惑星メティス基地と人工惑星プルトロン基地を突破しなければ不可能です…」 現実問題…。リベレーターズの本拠地であり自治区であるヘブンスターから銀河帝国本拠地エデンランドを攻略するには小惑星メティス基地と人工惑星プルトロン基地を突破しなければ銀河帝国軍の本拠地であるエデンランドへは到達出来ない。小惑星メティス基地と人工惑星プルトロン基地には合計十二万隻から十四万隻もの宇宙艦艇が配備され両陣営とも攻略するのは困難である。小惑星メティス基地と人工惑星プルトロン基地を突破したとしてもエデンランドには二十万隻もの大艦隊は勿論…。地上には巨大防衛兵器の存在が確認され簡単には攻略出来ない。奇襲作戦を実行すれば大多数の防衛艦隊からの猛反撃も予想され最悪大艦隊の全滅の可能性も否定出来ない。 「リベレーターズの宇宙艦隊は四月五日戦争でも相当の損害ですし…こんな作戦は将兵達も国民も支持しないでしょう…最悪の場合報復攻撃でヘブンスターの滅亡も予想されましょう…」
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宇宙大動乱 ( No.80 ) |
- 日時: 2021/03/25 19:53:30
- 名前: 月影桜花姫
- 実際リベレーターズの宇宙艦隊は四月五日戦争の陽動作戦で辛勝するものの大多数の大型艦が撃沈…。大破したのである。リベレーターズも宇宙艦隊の再建に着手するのだが…。資源不足により手一杯の状態だったのである。こんな状態で奇襲作戦を強行すれば奇襲艦隊の全滅は確実であり最悪ヘブンスターの滅亡も否定出来ない。
「四月五日戦争だけで四十万人以上の将兵達が戦死したのです…今現在は宇宙艦隊の再建と宇宙航空戦力の強化に尽力するべきかと…」 直後…。会議室のホログラムが作動したのである。 「ん?」 ホログラムを起動させると通信兵の立体映像が出現する。 「ペルフィリオ総帥!大変です!緊急事態です!」 「緊急事態だと!?今度は何事だ?」 「所属不明の宇宙艦隊が小惑星メタリックアイに接近中との情報です…」 小惑星メタリックアイとはリベレーターズが統治する小惑星でありリベレーターズにとって資源採掘の宝庫である。 「所属不明の宇宙艦隊だと?銀河帝国軍か?」 「現段階では不明ですが…恐らくは…」
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