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神龍伝説
日時: 2023/11/20 21:04:21
名前: 戦艦零号

閉鎖

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ウィルピス大事変 ( No.61 )
日時: 2023/11/08 21:45:32
名前: 戦艦零号

恐る恐る石ころに思念したのである。数秒後…。依然として動かなかった石ころが上昇し始める。
「えっ!?石ころが浮遊した!」
石ころは自身の目線と同程度に浮遊…。ピタッと停止する。
『現実なの!?』
ピルセウスは空中浮揚する石ころに驚愕…。現実の光景なのか理解出来なくなる。
『石ころよ…落下しろ…』
落下を思考すると石ころは一瞬で地面に落下したのである。
「超能力って本当に存在したの?僕に超能力が…」
ピルセウスは先程の超常現象が自身による念力なのか確認したくなる。ピルセウスは帰宅せず近隣に位置する閉鎖中の廃鉱へと移動したのである。
「廃鉱なら好都合だね…」
閉鎖中の廃鉱には無数の岩石やら鉄屑の残骸が確認出来…。超能力を発動するには好都合だったのである。
「今度も其処等の石ころを…」
二十センチメートルの石ころを発見…。
「石ころは浮遊するかな?」
先程みたいに石ころが浮遊するのか試行したのである。
『石ころよ…浮遊しろ…』
数秒後…。石ころが容易に浮遊したのである。
「えっ…」
ピルセウスは驚愕する。
「本当に…僕に超能力が?」
今回は裏庭の石ころよりも軽量に感じられたのである。
「落下しろ…」
すると石ころは地面に落下する。ピルセウスは恐る恐る背後を凝視…。
「僕に出来るだろうか?」
ピルセウスの背後に存在するのは先程の石ころより大サイズの岩石である。直径一メートルサイズであり念力で粉砕出来るか思考する。
「此奴を…粉砕出来るかな?」
直径一メートルサイズの岩石に思念したのである。
『岩石よ…砕け散れ!』
ウィルピス大事変 ( No.62 )
日時: 2023/11/08 21:47:56
名前: 戦艦零号

思念するのだが…。岩石は非常に硬質であり容易には粉砕出来ない。
「ビクともしないな…やっぱり岩石を粉砕するのは難関だね…」
困難であると感じるも…。ピルセウスは再チャレンジする。
「岩石よ…粉砕しろ!」
先程よりも根強く思念したのである。
「砕け散れ!」
すると数秒後…。岩石の表面よりピキッと罅割れが発生する。
「表面が罅割れた!」
『今度こそ出来るかも!』
再度思念したのである。
『砕け散れ!』
十数秒が経過…。直後である。頑強の岩石がバリッと粉砕…。砕け散ったのである。岩石の破片が其処等に散乱する。
「はぁ…はぁ…岩石を粉砕出来たぞ♪」
ピルセウスは大喜びしたのである。目標を達成出来たものの…。ピルセウスは極度の疲労により地面に横たわる。
「念力だけでこんなにも疲れが蓄積されるなんて…」
ピルセウスは体力の消耗に身動き出来なくなる。
『眠たいな…』
直前…。
「貴方…大丈夫?」
「えっ…誰なの?」
最近知り合った女子学生のメラティスが近寄る。
「メラティスさん?」
「動かないでね…」
メラティスはピルセウスの腹部に接触したかと思いきや…。消耗した体力が蓄積されたのである。
「一安心だわ…」
メラティスはホッとする。
ウィルピス大事変 ( No.63 )
日時: 2023/11/08 21:49:58
名前: 戦艦零号

「感謝するよ♪メラティスさん♪体力が戻ったよ♪ひょっとしてメラティスさんの魔法なの?」
「無論ね…」
メラティスは体力の消耗したピルセウスに回復魔法を使用したのである。ピルセウスはメラティスの回復魔法により体力が回復する。するとメラティスは笑顔で…。
「貴方…超能力の覚醒に成功したのね♪見事だったわ♪」
「えっ?メラティスさん…ひょっとして観察したの?」
「勿論よ♪放課後からね♪」
メラティスは笑顔で即答する。
「えっ…はぁ…」
ピルセウスは苦笑いしたのである。
「ピルセウスは本当にサイコキネシス…超能力を覚醒させたのね♪貴方は正真正銘新人類だったのよ♪」
「僕が新人類…」
『ストレイダス叔父さんの遺言は事実だったのね…』
ウィルピス大事変 ( No.64 )
日時: 2023/11/08 21:52:09
名前: 戦艦零号

ジャンル
近未来風SF
近未来風ファンタジー
近未来風アクション

世界観
近未来風異世界

登場キャラクター一覧
【ピルセウス】
出身地:ウィルピス自由区
誕生日:世界暦5507年7月20日
星座:蟹座
年齢:17歳
種族:人間※新人類
性別:男性
職業:学生
身長:165cm
体重:65kg
血液型:O型
一人称:僕
性格:天然、陰気、正義感
好物:豚カツ、コーラ、スナック菓子
苦手:トマト、マヨネーズ
趣味:オカルト関連、ホラーゲーム
超能力:サイコキネシス、治癒、エネルギー吸収、テレパシー、霊能力

【メラティス】
出身地:ウィルピス自由区
誕生日:世界暦5507年5月14日
星座:牡牛座
年齢:17歳
種族:魔女
性別:女性
職業:学生
身長:164cm
胸囲:104cm
胴囲:64cm
腰囲:94cm
体重:60kg
血液型:A型
一人称:私
性格:穏便、無欲恬淡
好物:ショートケーキ、ホワイトチョコレート、オムライス、シャーベット
苦手:チーズ、クリームシチュー、グラタン
趣味:オカルト関連、アドベンチャーゲーム
使用魔法:治癒魔法、千里眼

【ストレイダス】
出身地:ウィルピス自由区
誕生日:世界暦5492年8月17日
没年月日:世界暦5522年12月12日
星座:獅子座
享年:30歳
種族:人間※新人類
性別:男性
所属:特別警察、世界連合特務機関
職業:特別警官、秘密エージェント
身長:167cm
体重:69kg
血液型:O型
一人称:俺
性格:正義感、気弱
好物:ステーキ、オレンジジュース
苦手:酢の物、酒類、マヨネーズ
趣味:森林浴、執筆、絵画
超能力:霊能力、未来予知、サイコキネシス、テレパシー
ウィルピス大事変 ( No.65 )
日時: 2023/11/08 21:54:13
名前: 戦艦零号

【フィルドルク】
出身地:ソロポス共和国
誕生日:世界暦5492年7月16日
星座:蟹座
年齢:32歳
種族:人間※新人類
性別:男性
所属:万民解放軍
職業:軍人
階級:大佐
身長:168cm
体重:70kg
血液型:AB型
一人称:俺、私
性格:野心的、策略的
好物:ピラフ
苦手:チョコレート、クリーム、マシュマロ
趣味:ライフル射撃、工作作業、改造車
超能力:サイコキネシス、治癒、エレクトロキネシス、パイロキネシス、テレパシー

登場国家
〔ウィルピス自由区〕
総人口:19万人

〔ソロポス共和国〕
総人口:700万人

〔万民解放区〕
総人口:2万人

登場兵器
〔ヘビークイーン〕
分類:超弩級要塞戦艦
所属:万民解放軍
全長:400m
全幅:80m
全高:90m
全備総重量:70万t※満載排水量
全速力:32ノット
全出力:30万馬力
航続距離:無限海里
乗組員:15人〜20人
輸送要員:500人〜800人前後
兵装
660mm電磁投射連装砲:2基
80mm高エネルギー機関砲:8基
20mm対空機関砲:4基
多目的ミサイル発射機:120基
艦載機:1機※大型輸送機〜2機※無人機
装甲
主砲装甲:990mm
舷側装甲:770mm
甲板装甲:550mm
装甲材質:エターナルメタル※特殊性超硬合金
動力炉:アークリアクター※特殊無限機関

〔リバースキャノン〕
分類:光学衛星兵器
所属:万民解放軍
全長:200m
全幅:15m
全高:15m
重量:15万t
テラトピア大事変 ( No.66 )
日時: 2023/11/13 22:42:48
名前: 戦艦零号

ジャンル
近未来風SF
近未来風ファンタジー
近未来風アクション

世界観
近未来風異世界

登場キャラクター一覧
【フィルドルク】
出身地:テラトピア自由区
誕生日:世界暦5507年7月20日
星座:蟹座
年齢:15歳
種族:人間※新人類
性別:男性
職業:学生
身長:165cm
体重:65kg
血液型:O型
一人称:僕
性格:天然、陰気、正義感
好物:豚カツ、コーラ、スナック菓子
苦手:トマト、マヨネーズ
趣味:オカルト関連、ホラーゲーム
超能力:サイコキネシス、治癒、エネルギー吸収、テレパシー、霊能力

【メラティス】
出身地:テラトピア自由区
誕生日:世界暦5507年5月14日
星座:牡牛座
年齢:15歳
種族:魔女
性別:女性
職業:学生
身長:164cm
胸囲:104cm
胴囲:64cm
腰囲:94cm
体重:60kg
血液型:A型
一人称:私
性格:穏便、無欲恬淡
好物:ショートケーキ、ホワイトチョコレート、オムライス、シャーベット
苦手:チーズ、クリームシチュー、グラタン
趣味:オカルト関連、アドベンチャーゲーム
使用魔法:治癒魔法、千里眼

【ストレイダス】
出身地:テラトピア自由区
誕生日:世界暦5492年8月17日
没年月日:世界暦5520年12月12日
星座:獅子座
享年:28歳
種族:人間※新人類
性別:男性
所属:特別警察、世界連合特務機関
職業:特別警官、秘密エージェント
身長:167cm
体重:69kg
血液型:O型
一人称:俺
性格:正義感、気弱
好物:ステーキ、オレンジジュース
苦手:酢の物、酒類、マヨネーズ
趣味:森林浴、執筆、絵画
超能力:霊能力、未来予知、サイコキネシス、テレパシー
テラトピア大事変 ( No.67 )
日時: 2023/11/13 22:44:50
名前: 戦艦零号

【ウィルフィールド】
出身地:ソロポス共和国
誕生日:世界暦5492年7月16日
星座:蟹座
年齢:30歳
種族:人間※新人類
性別:男性
所属:万民解放軍
職業:軍人
階級:大佐
身長:168cm
体重:70kg
血液型:AB型
一人称:俺、私
性格:野心的、策略的、狡猾
好物:ピラフ
苦手:チョコレート、クリーム、マシュマロ
趣味:ライフル射撃、工作作業、改造車
超能力:サイコキネシス、治癒、エレクトロキネシス、パイロキネシス、テレパシー

登場国家
〔テラトピア自由区〕
総人口:19万人

〔ソロポス共和国〕
総人口:700万人

〔万民解放区〕
総人口:2万人

登場兵器
〔ヘビークイーン〕
分類:超弩級要塞戦艦
所属:万民解放軍
全長:400m
全幅:80m
全高:90m
全備総重量:70万t※満載排水量
全速力:32ノット
全出力:30万馬力
航続距離:無限海里
乗組員:15人〜20人
輸送要員:500人〜800人前後
兵装
660mm電磁投射連装砲:2基
80mm高エネルギー機関砲:8基
20mm対空機関砲:4基
多目的ミサイル発射機:120基
艦載機:1機※大型輸送機〜2機※無人機
装甲
主砲装甲:990mm
舷側装甲:770mm
甲板装甲:550mm
装甲材質:エターナルメタル※特殊性超硬合金
動力炉:アークリアクター※特殊無限機関

〔リバースキャノン〕
分類:光学衛星兵器
所属:万民解放軍
全長:200m
全幅:15m
全高:15m
重量:15万t
テラトピア大事変 ( No.68 )
日時: 2023/11/20 19:23:20
名前: 戦艦零号

第一話

休憩時間
全世界を二分させる人類史上最大の大戦争…。第三次列国大戦が終焉してより十五年が経過する。世界暦五千五百二十二年四月下旬…。小国家〔テラトピア自由区〕での出来事である。場所は進学校テラトピア学園…。休憩中に一人の男子生徒が窓際から仰天の青空を眺望する。
「今日も図書室で暇潰しだな…」
男子生徒の名前は【フィルドルク】…。テラトピア学園の男子生徒であり学部は普通科である。フィルドルクは一見すると年齢十四歳の普通の少年であるものの…。誰よりも荒唐無稽のオカルト関連が大好きであり勉学以外の時間帯ではオカルト関連の情報を調査するのが趣味である。フィルドルクは午前中の休憩時間に図書室へと移動する。
「オカルト関連…オカルト関連…」
フィルドルクはオカルト関連の参考書を何冊か黙読したのである。内容としては近年話題の超能力関連は勿論…。古代文明の魔法神秘学やら東洋の妖術関連である。
「僕にも超能力とか…荒唐無稽の魔法が扱えたらな…」
フィルドルクは自身にも超能力やら魔法が使用出来たらと妄想し始める。
「一体如何すれば僕に超能力が?」
彼是と思考し続けた直後…。
「ん?」
隣接より一人の女子生徒が魔法関連の書籍を何冊か漁ったのである。
『誰だろう…』
気になったフィルドルクは恐る恐る隣接の女子生徒をチラ見する。
『うわっ…誰なのかな?』
女子生徒は女性としては高身長であり頭髪は赤毛のストレートロング…。両目の瞳孔は半透明の血紅色であり両方の耳朶には金剛石のイヤリングが特徴的である。容姿は人一倍美的でありフィルドルクは彼女の妖艶さに見惚れる。
テラトピア大事変 ( No.69 )
日時: 2023/11/20 19:25:33
名前: 戦艦零号

『彼女…相当の美人だな…胸部も…』
女子生徒は胸部が豊富である。フィルドルクは彼女に魅了されたのか赤面し始める。
『瞳孔が血紅色だ…彼女は…人間の女の子なのかな?』
隣接の女子生徒は一般の女性とは異質的であり摩訶不思議のオーラを感じさせる雰囲気だったのである。すると摩訶不思議の女子生徒はフィルドルクの存在に気付いたのかフィルドルクの方法を凝視し始める。
「貴方…先程から何かしら?私に用事?」
「えっ!?」
フィルドルクはビクッと反応…。
「御免…気にしないで…」
フィルドルクは赤面した表情で即座に女子生徒に謝罪したのである。すると女子生徒は恐る恐る…。
「貴方…名前は?」
「僕の名前は…フィルドルクだよ…」
フィルドルクは即答したのである。
「君は?」
一方のフィルドルクも女子生徒に名前を問い掛ける。
「私は【メラティス】よ…貴方は私のクラスメートだったわよね…」
「えっ…君は僕のクラスメートだっけ?」
フィルドルクはオカルト関連には随一である反面…。オカルト関連以外の物事には比較的無関心であり自身のクラスに誰が存在するのか認識出来なかったのである。
「貴方って…オカルト以外の物事には無関心そうね…」
『フィルドルクって男子は天然なのかしら?』
フィルドルクは極度の天然でありメラティスは内心呆れ果てる。
「えっ…はぁ…」
一方のフィルドルクは苦笑いしたのである。
「貴方は荒唐無稽の心霊とか超常現象とか大好きそうね…」
「勿論だよ♪超能力とか異星人とかも大好きだよ♪」
フィルドルクは笑顔で即答する。
「へぇ…貴方って純粋なのね…」
テラトピア大事変 ( No.70 )
日時: 2023/11/20 19:27:34
名前: 戦艦零号

「えっ?純粋?僕が?」
「純粋よ…誰よりもね♪」
メラティスは微笑した表情で発言したのである。
「えっ…」
『純粋って…子供みたいだな…』
フィルドルクはメラティスに子供扱いされ…。赤面したのである。するとメラティスは小声で…。
「今日の放課後だけど…私と一緒に帰宅しない?折角の機会だし…」
「えっ!?」
フィルドルクはメラティスに誘われ驚愕したのである。
『こんなシチュエーション…現実なのかな?こんな僕が…女子生徒と帰宅…』
フィルドルクは今回の出来事が現実なのか混乱する。予想外のシチュエーションに再度赤面したのである。
「私も荒唐無稽のオカルトが大好きだからね…如何する?貴方にとって都合が悪ければ無理にとは…」
問い掛けられたフィルドルクは一瞬沈黙するものの…。
「勿論大丈夫♪僕は大丈夫だよ♪メラティスさん♪」
フィルドルクはワクワクした様子であり笑顔で返答したのである。
『こんな僕がこんな可愛らしい女の子と一緒に帰宅出来るなんて…夢物語みたいだよ♪現実の出来事なのかな?』
一瞬現実なのか自分自身の妄想なのか混迷する。フィルドルクはメラティスとの帰宅に内心大喜びしたのである。
テラトピア大事変 ( No.71 )
日時: 2023/11/20 19:29:52
名前: 戦艦零号

第二話

帰宅
放課後の時間帯…。フィルドルクはメラティスと一緒に帰宅する。
「メラティスさん…自宅は?」
「私の自宅はサウスタウンよ…」
サウスタウンとは西方地帯に存在する小規模の住宅街である。
「えっ?メラティスさんの自宅もサウスタウンなの?僕と一緒だね♪」
「貴方の自宅もサウスタウンなのね…」
メラティスもサウスタウンの住民でありフィルドルクは内心大喜びする。
「貴方…随分と嬉しそうね…」
「えっ!?」
フィルドルクは赤面…。気恥ずかしくなる。
「フィルドルク♪貴方って本当に面白いわね♪」
メラティスは微笑み始める。
「僕って…面白いのかな?」
「面白いわよ♪天然そうだし♪」
「えっ…」
『天然って…』
フィルドルクは苦笑いしたのである。するとメラティスは無表情で…。
「貴方は現実世界に荒唐無稽の魔法が存在するなら…直視したくない?」
「えっ…」
『正直…メラティスさんの思考が理解出来ないけど…』
メラティスの突然の質問に困惑したのである。
「魔法が…」
フィルドルクは一息する。
「空想かも知れないけど…荒唐無稽の魔法が本当に存在するのであれば…実際に直視したいかな…」
フィルドルクが恐る恐る返答するとメラティスは瞑目し始める。
「仕方ないわね…」
「えっ?仕方ないって…」
「今回は特別よ…」
「えっ…特別って?」
メラティスはカッターナイフを所持したかと思いきや…。自身の手首を自傷させたのである。
「メラティスさん!?一体何を!?」
フィルドルクは突然の彼女の自傷行為に驚愕する。一方のメラティスは平気そうな表情だったのである。
『彼女は正気なの!?』
テラトピア大事変 ( No.72 )
日時: 2023/11/20 19:32:18
名前: 戦艦零号

地面にはメラティスの血液が一滴ずつ流れ出る。
「メラティスさん…血液が…」
フィルドルクは彼女の鮮血に畏怖したのかソワソワする。
「フィルドルク…貴方は極度の心配性ね…」
一方のメラティスは冷静沈着だったのである。
「心配しなくても私は大丈夫よ…貴方は大袈裟ね…フィルドルク…」
数秒間が経過する。カッターナイフで自傷したメラティスの傷口が一瞬で治癒したのである。
「えっ!?メラティスさんの傷口が治癒した!?一体如何して…何が?」
フィルドルクは荒唐無稽の超常現象に愕然とする。するとメラティスは無表情で発言したのである。
「単刀直入に表現するなら…私の正体は魔女なのよ…」
「えっ…魔女?メラティスさんの正体が魔女だって?」
一瞬出鱈目であると思考するものの…。先程の荒唐無稽の超常現象を直視するとメラティスの正体が魔女であると否定出来なくなる。
「正確には私の家計は魔女の家計ってだけよ…父様は普通の人間だし…私は魔女と人間の混血なのよね…」
メラティスは母親が人外の魔女であるものの…。父親は純血の人間だったのである。フィルドルクは緊張した様子で恐る恐る彼女に質問する。
「ひょっとするとメラティスさんの祖先って…東洋に存在する…イーストユートピア出身者なの?」
「私の祖先はイーストユートピアに出身らしいわね…」
テラトピア大事変 ( No.73 )
日時: 2023/11/20 19:34:23
名前: 戦艦零号

イーストユートピアとは極東に存在した辺境の島国であり所謂桃源郷神国と命名される。世界的には魔女の発祥地とされる。イーストユートピアは近代化の成功により列強の一員として認識されたものの…。二百年前に勃発した第二次列国大戦で超大国に敗北したのである。イーストユートピアは多大なる空襲により各村落は焦土化…。今現在では荒廃した無人地帯同然であり居住者は誰一人として存在しない。
「メラティスさんが魔女なのは事実みたいだけど…吃驚したよ…」
「こんな話題はオカルト大好きな貴方以外には出来ないからね…」
「正直最初に対面してから普通の常人とは異質的だったからね…メラティスさんの正体が魔女なのは納得だよ…」
するとフィルドルクは小声で…。
「メラティスさんは今迄誰かに気味悪がられるとか…差別されなかったの?」
メラティスは一瞬沈黙するも小声で返答したのである。
「無論ね…私自身こんな容姿だし…クラスメートの女子達からは人外の魔女って揶揄されたわよ…実際問題私の家計が人外の魔女なのは事実なのだけどね♪」
彼女は笑顔で発言する。
「前向きだね…メラティスさんは…」
フィルドルクはメラティスが人一倍ポジティブであると感じる。一方のメラティスはフィルドルクを凝視…。
「貴方も人外でしょう…フィルドルク…」
「えっ?」
メラティスの人外の一言にフィルドルクは意味が理解出来ず脳内が白色化する。
「僕が…人外だって?」
「貴方ってエスパーっぽいのよね…」
「僕が…エスパー?」
フィルドルクは珍紛漢紛であり困惑したものの…。
テラトピア大事変 ( No.74 )
日時: 2023/11/20 19:36:32
名前: 戦艦零号

「二年前に死んじゃったけど…僕の母方の叔父さん…ストレイダス叔父さんが…霊能力なのかな?死者の霊体と会話出来るとかって…」
フィルドルクには母方の【ストレイダス】と名乗る叔父が存在する。今現在でこそストレイダスは故人であるが…。ストレイダスは大昔から死者の霊体を視認出来る特殊体質だったのである。霊体を視認出来るばかりか死者との会話も出来る性質上…。周囲の者達からは非常に気味悪がられ両親やら実母以外の兄弟からも嫌忌されたのである。こんな境遇の彼であったが…。警察組織が死者と会話が可能であるストレイダスの霊能力に注目する。警察組織は特殊体質の彼を特別枠の特別警察に配属させ数多くの未解決事件解決に貢献させたのである。
「やっぱりフィルドルクの血縁者はエスパーだったわね…」
メラティスは納得する。
「貴方は正真正銘エスパーの人種なのよ♪」
「僕がエスパーの人種!?」
「如何やら貴方が貴方の叔父さんの血筋を色濃く継承したみたいね…」
「血筋を継承したとしても僕にはストレイダス叔父さんみたいに死者の霊体なんて視認出来ないし…映画とか漫画の主人公みたいに怪力とか超能力なんて何一つとして使用出来ないよ…」
「貴方が特殊能力を発揮するには相応の衝撃が必要不可欠なのかも知れないわ…」
「相応の…衝撃?」
「貴方自身が大事件とか…事故に遭遇しなければ特殊能力は一生涯覚醒しないでしょうね…」
「大事件とか事故って…物騒だな…」
フィルドルクは苦笑いしたのである。メラティスと摩訶不思議の会話から数分後…。二人は自宅へと戻ったのである。
テラトピア大事変 ( No.75 )
日時: 2023/11/20 19:38:34
名前: 戦艦零号

第三話

新人類
小規模の島国…。テラトピア自由区から数百キロメートルの長距離にはテラトピア自由区よりも小規模の島国が存在する。島国の国名は〔万民解放区〕である。万民解放区は十五年前こそ無名の無人島であったが…。第三次列国大戦に敗北した万民解放軍の残党勢力と世界各地の犯罪者達が移住したのである。彼等は無人島の万民解放区に暗躍すると島内全域を軍事拠点化…。万民解放軍を再結成したのである。とある密室にて二人の軍人が密談する。
「二日後だ…二日後に近場のテラトピア自由区を攻略するぞ…」
将軍らしき人物が発言したのである。
「テラトピア自由区か…一日間で攻略出来そうだな…」
背広姿の金髪碧眼の男性が返答する。テラトピア自由区は比較的国内の治安が安定した一方…。戦力は最低限の防衛隊が配置された程度であり通常の国軍としての反撃能力は実質皆無とされる。
「歴戦の貴様にとっては今回の作戦…片手間なのかも知れないが…貴様以外の将兵達は実戦未経験の新米兵士達ばかりだ…実戦で役立つのやら…」
今現在万民解放軍の将兵は大半が世界各国の犯罪者達ばかりであり経験豊富の将兵は実質少数とされる。将軍らしき人物は将兵達の熟練度の脆弱さを懸念する。
「非力の新兵ばかりだが…世界連合は十五年前の大戦で疲弊した状態なのも事実だからな…」
テラトピア大事変 ( No.76 )
日時: 2023/11/20 19:40:34
名前: 戦艦零号

世界連合とは第二次列国大戦を契機に創設された各国家による統一政府である。第三次列国大戦が終結してから十五年が経過したものの…。今現在世界各国が戦争の悪影響で疲弊状態でありあらゆる国家が戦争出来る余力が皆無だったのである。無論…。統一政権の世界連合さえも今現在は反戦ムードであり各地の紛争を解決出来る余力は皆無である。背広姿の男性が断言する。
「今回の作戦は俺達の強大さを全世界に知らしめる絶好機…今回の作戦が成功すれば世界連合は迂闊には手出し出来なくなるだろう…何よりも俺には…」
背広姿の男性は護身用の拳銃を携帯したかと思いきや…。
「なっ!?貴様は…一体何を!?」
将軍らしき人物は拳銃に冷や冷やする。
「安心しろ…此奴を…分解するだけだ…」
「分解だと?一体如何するのだ?」
「大人しく見物し続けろ…」
背広姿の男性は摩訶不思議の効力で自身の拳銃を分解したのである。
「俺が超能力さえ思う存分に発揮出来れば…全世界を掌握出来るだろう…容易に…」
新人類とは超能力を所持する特殊人種とされ…。現在の調査では百万人に一人の確率で存在するとされる。
「現段階では俺に対抗出来る新人類は存在しない…」
すると将軍らしき人物はニヤリと冷笑する。
「貴様の超能力とやら…期待するぞ♪【ウィルフィールド】…」
彼自身詳細は不明であるが…。ウィルフィールドと名乗る人物は超能力を使用出来る新人類の一人だったのである。
『ウィルフィールドの正体が荒唐無稽の新人類だったとは…新人類とやらは本当に実在するのだな…』
将軍らしき人物は内心新人類の存在に驚愕する。
テラトピア大事変 ( No.77 )
日時: 2023/11/20 19:42:36
名前: 戦艦零号

第四話

霊体
真夜中の深夜帯…。フィルドルクは超能力の歴史書と呼称される参考書を黙読したのである。超能力の歴史書には古代文明時代は勿論…。今現在の事例も多数記述され非常に興味深かったのである。
「極東のイーストユートピアにもエスパーが存在したなんて…」
イーストユートピア所謂桃源郷神国は魔女の発祥地として有名であるものの…。新人類による超能力伝説は複数存在する。先例としては戦乱時代に活躍したとされる名将夜桜崇徳王である。崇徳王は十数キロメートルもの長距離から敵軍の将兵が何人存在するのか正確に察知出来たとされる。崇徳王以外には安穏時代の八正道と名乗る僧侶も有名である。詳細こそ不明であるが…。彼にも超能力らしき伝説が一部確認される。一例としては神族天狐如夜叉との戦闘で銃弾のみで神器を破壊したとの一説である。八正道の場合は偶然の可能性が指摘される一方…。超能力による超常現象も否定出来ないとの意見も存在する。両者とも無自覚であったが…。今現在の見解では両者とも新人類であるとの見解が通説である。
「イーストユートピアにも新人類が存在したなんて…」
数分間が経過するとフィルドルクは熟睡する。睡眠してより数分後…。フィルドルクの脳裏より視界全域が白色の世界が発現されたのである。
「えっ?何だろう?」
フィルドルクは恐る恐る周囲を警戒するのだが…。周辺の景色は白色だけであり自分自身以外には何も存在しない虚無の世界である。
「摩訶不思議の世界だな…」
すると背後より…。
「フィルドルク…フィルドルク?」
「えっ?誰なの?」
テラトピア大事変 ( No.78 )
日時: 2023/11/20 19:45:08
名前: 戦艦零号

フィルドルクは恐る恐る背後を直視したのである。
「えっ!?ストレイダス叔父さん!?」
フィルドルクの背後に存在するのは誰であろう二年前に死去した叔父…。ストレイダス本人だったのである。
「久し振りだな♪フィルドルク♪」
「叔父さん…」
「フィルドルクが元気そうで安心したよ♪」
ストレイダスは笑顔で発言する。
「如何して…ストレイダス叔父さんが?叔父さんは二年前に…」
フィルドルクは衝撃的光景に脳内が白色化したのである。
「突然だから吃驚するよな…フィルドルク…」
フィルドルクはストレイダスに近寄ると力一杯密着…。
「叔父さん!」
涙腺から涙が零れ落ちる。
「如何して…如何してストレイダス叔父さんは死んじゃったの?」
「フィルドルク…」
フィルドルクは数分間程度落涙し続ける。
「大丈夫そうだな…フィルドルク…」
泣き止むフィルドルクにストレイダスは安心する。
「甘えん坊だな♪フィルドルクは♪」
「御免なさい…叔父さん…」
フィルドルクは赤面した様子で謝罪したのである。
「当然であるが…今現在の俺は霊体の存在なのだ…」
ストレイダスは自身が霊体であると自負する。
「霊体…」
フィルドルクは恐る恐る問い掛ける。
「如何して叔父さんは死んじゃったの?本当に事故で死んじゃったの?」
両親からはストレイダスの死因は不慮の事故であると説明されたのだが…。フィルドルクは如何しても納得出来なかったのである。
「今更フィルドルクに隠し事しても仕方ないからな…」
「隠し事?」
ストレイダスは一息する。
「二年前の十二月だ…」
「二年前の十二月?」
Re: 神龍伝説 ( No.79 )
日時: 2023/11/20 19:47:08
名前: 戦艦零号

二年前の十二月の出来事である。新人類のストレイダスは特別警察での数多くの功績を評価され…。世界連合の特務機関に抜擢されたのである。全世界の主軸である世界連合も新人類の存在に興味を抱き始め…。新人類で構成された特務機関を創設したのである。特務機関の秘密エージェントとして活動するストレイダスは秘密団体…。万民解放軍と呼称される武装勢力の本拠地万民解放区に潜入したのである。潜入には成功したものの…。不運にもストレイダスは万民解放軍の警備兵に発見され拘束されたのである。ストレイダスを拘束した警備兵は皮肉にも自身と同種である新人類であり名前はウィルフィールドと名乗る。ウィルフィールドと名乗る新人類は非常に強力でありストレイダスはウィルフィールドの超能力で殺害されたのである。
「俺は諜報員として万民解放区に潜入したが…万民解放軍の本拠地でウィルフィールドって名前の新人類に拘束され…彼に殺害された…」
「えっ…ウィルフィールド?新人類…」
『やっぱりストレイダス叔父さんの死因は事故じゃなくて…ウィルフィールドって新人類に殺されたの?』
ストレイダスの死後…。世界連合は非難を回避したかったのか諜報員のストレイダスは不慮の事故として扱われたのである。フィルドルクは衝撃の事実に混乱する。
「突然だから混乱するよな…フィルドルク…」
「御免なさい…正直突然過ぎるから…」
「当然の反応だよな…」
ストレイダスは再度一息したのである。
「フィルドルク…俺は霊能力以外に未来予知も出来る…」
「未来予知?」
テラトピア大事変 ( No.80 )
日時: 2023/11/20 19:49:08
名前: 戦艦零号

フィルドルクは自身の超能力を覚醒させ未来予知も使用出来る。
「恐らくだが二日後…俺を殺した新人類のウィルフィールドと…万民解放軍の奴等がテラトピア自由区に侵攻を開始するだろう…」
「えっ!?」
フィルドルクは驚愕したのである。
「本当に!?万民解放軍がテラトピア自由区に侵攻!?」
非現実的であり一瞬冗談かと思いきや…。
『ストレイダス叔父さんって冗談は苦手だよね…』
ストレイダスは冗談が人一倍苦手であり本当であると感じる。
「恐らくだが…隠蔽体質の世界連合は勿論…テラトピア自由区の防衛隊も期待出来ないだろうよ…」
ストレイダスはフィルドルクを凝視し続ける。
「今現在テラトピア自由区を守護出来るのはフィルドルクだけだ…」
「えっ!?僕がテラトピア自由区を!?」
フィルドルクは再度困惑する。
「叔父さん…僕はストレイダス叔父さんみたいに超能力なんて何一つとして…」
現実問題…。フィルドルクは何一つとして超能力が使用出来ない。
「今現在では超能力は使用出来ないが…フィルドルクは人一倍俺の血筋を色濃く継承する一人だ…超能力が覚醒すればフィルドルクは俺を上回るかも知れない…」
ストレイダスはフィルドルクの潜在能力は自身以上であると確信する。
「如何すれば…僕はストレイダス叔父さんみたいに超能力を覚醒させられるの?」
「簡単だ…フィルドルクなら意識するだけで超能力を開放出来るさ♪」
「えっ?僕は意識するだけ?」
「フィルドルクは俺の血筋を色濃く継承した存在だ…フィルドルクなら意識するだけで超能力は発動出来るだろう…超能力を使用すれば使用するだけ桁外れに上達する…」

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