超弩級戦艦桜花姫 ( No.41 ) |
- 日時: 2021/04/05 08:56:52
- 名前: 月影桜花姫
- 大総統の主目的としてメトランティス帝国国内にレジスタンス勢力に長期戦を想定した食糧品と最新式の武装を提供…。メトランティス帝国国内を意図的に内戦状態へと移行させ国全体の国力低下を実現化させるのが最大の目標であり所謂パシフィス共和国による代理戦争である。
「新興国の大和神郷国を攻略するには…超大国のメトランティス帝国であっても簡単には攻略出来ないでしょう…」 今現在大和神郷国の総人口は九百万人規模…。小規模の島国としては人口密度は高密度であり戦闘要員は正規軍だけで推計三十万人規模である。徴兵すれば更なる人員も確保出来…。軍事超大国のメトランティス帝国であっても大和神郷国を完全制覇するには数百万単位の軍勢が必要不可欠であり海軍は勿論…。陸軍の主力部隊も相当数動員しなければ国土完全制覇は不可能である。相当数の陸軍部隊を総動員した場合の国内の防衛力は手薄…。反政府勢力のレジスタンス勢力とパシフィス共和国にとっては非常に好都合である。国内の警察隊のみで数百人程度のレジスタンス勢力を鎮圧するのは可能であるがパシフィス海軍の小規模輸送部隊がレジスタンス勢力に大量の武装と食糧品を提供した場合…。警察隊のみで強化されたレジスタンス勢力を鎮圧するのは実質不可能である。
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.42 ) |
- 日時: 2021/04/05 08:58:52
- 名前: 月影桜花姫
- 「大和神郷国に侵攻すれば相当数の軍部隊が必要不可欠でしょうから国内が手薄状態なのは確実でしょう♪レジスタンス勢力に大量の武装と食糧品を提供すれば確実にメトランティス帝国は分裂…内戦状態に移行するでしょうね…」
レジスタンス勢力に大量の武装と食糧品を提供する利点は国内を分裂させる以外にも…。 「メトランティス帝国は近年…誘導技術を駆使した誘導兵器…ジェットエンジンを搭載させた新型機…大都市をも消滅し兼ねない新型特殊光弾を開発中なのです…」 誘導兵器とは所謂ミサイルである。メトランティス帝国は早期に航空戦力を所持した軍事大国であり目標を確実に命中させる誘導兵器の開発にも着手する。新型特殊光弾とは所謂核爆弾である。新型特殊光弾は一発の爆弾で大都市をも一瞬で焦土化させる悪魔の兵器でありパシフィス共和国も新型特殊光弾の開発に尽力する。近年航空機が誕生したがメトランティス帝国はジェットエンジンを搭載した試作機の開発にも着手…。未定であるが数年後には独立した空軍部隊の創設も検討中である。メトランティス帝国が国内のレジスタンス勢力と内戦状態に移行すれば新型特殊光弾は勿論…。ジェットエンジンを搭載した試作機と新型誘導兵器の開発を遅滞させられる。 「メトランティス帝国がレジスタンス勢力と内戦状態に移行すれば新型誘導兵器…ジェットエンジン搭載型試作機…新型特殊光弾の開発を遅滞させられるでしょう…」 「であれば私は大総統の意見に賛成しましょう…」 「私も同感です…」 差別主義者の議員達も大総統の意見に賛同したのである。
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.43 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:00:57
- 名前: 月影桜花姫
- 第三話
開戦 天地歴四千九百九十三年四月十日午後七時半…。メトランティス帝国極東艦隊が大和神郷国へと進行したと同時に…。パシフィス共和国海軍は敵国であるメトランティス帝国国内に小規模輸送部隊を潜入させる。同時にメトランティス帝国海軍の極東艦隊が大和神郷国に進行中との情報を同盟国のパシフィス共和国海軍から発信させたのである。大和神郷国海軍は即刻本隊である突撃艦隊を東方国の軍港から出撃させる。突撃艦隊の旗艦は巡洋戦艦の天津神である。 「海軍にとって最初の相手が世界一最強のメトランティス帝国海軍とは…」 天津神の艦長が恐る恐る発言する。 「私も同感ですよ…」 副艦長が返答したのである。 「油断大敵だな…」 「勿論ですよ…」 メトランティス帝国軍全軍の総兵力は推計九百万人規模…。海軍のみでも推計二百万人規模の兵力であり総兵力のみなら大和神郷国海軍の四十倍である。海軍全体の保有戦力は主力の戦艦が合計十七隻で巡洋戦艦が合計二十六隻…。駆逐艦を合計三百十八隻保有する。近年では航空機の誕生により多数の軍用機を搭載出来る空母を十二隻…。海中を潜航出来る新兵器の潜水艦を五十三隻保有する。パシフィス共和国海軍の情報では敵軍は主力の戦艦を四隻…。巡洋戦艦が八隻と護衛用の駆逐艦が四十五隻の大規模艦隊である。後方には潜水艦三隻と空母が一隻…。新兵器の重戦車と大勢の上陸部隊を乗艦させた輸送艦が七十二隻と九十四隻の魚雷艇も確認されたのである。 「上陸部隊を護衛する輸送艦も確認されたらしいですからね…如何やら敵軍は本土上陸作戦を展開するでしょう…」
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.44 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:03:16
- 名前: 月影桜花姫
- 「敵艦は発見し次第蹴散らせるだけだ!」
東方国の軍港から出航してより一時間後…。 「パシフィス共和国の情報では敵軍は大規模艦隊みたいだが…」 周辺は闇夜であり艦影らしき物体は発見出来ない。艦長は苛立ったのかピリピリする。電波探信儀を使用するが何も反応しない。 「電探とやらは役立たんな!故障したのか!?」 電探とは電波探信儀の略語であり所謂レーダーである。大和神郷国海軍の開発した電波探信儀は非常に低性能で故障の頻度も過多であり同盟国のパシフィス共和国さえも不良品であると揶揄したのである。艦長はピリピリするものの…。艦橋天辺に位置する防空指揮所より通信兵が電報にて異変を通信する。 「南東右舷…二十キロメートルの長距離より不審の船影を無数発見しました!味方の艦隊に接近中です!」 「なっ!無数の船影だと!?」 艦長は恐る恐る双眼鏡で窓際から右舷東南を直視したのである。 「不審の船影は小型の魚雷艇と…駆逐艦か?」 無数の小型船の船団が突撃艦隊に急接近する。副艦長も双眼鏡で東南を確認したのである。 「恐らく艦種は駆逐艦でしょう!相手は小規模艦隊みたいですね…」 「相手はメトランティス帝国海軍だな…」 「艦長…即刻攻撃命令を…」 艦長は一瞬沈黙するが…。 「止むを得ないな…」 攻撃を合図する。 「全軍…敵艦に砲撃せよ!」 砲撃開始の命令と同時に…。突撃艦隊の全艦が砲撃を開始したのである。一度の砲撃に三隻の駆逐艦を撃沈…。五隻の魚雷艇を撃沈したのである。二隻の駆逐艦が大破…。六隻の魚雷艇が炎上したのである。 「上出来だ♪当初の予想よりも海軍は優秀だな…」 予想外の大戦果に艦長は満足する。 「小規模艦隊で天下無敵の突撃艦隊に挑戦するとは無謀なのだよ♪」
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.45 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:05:17
- 名前: 月影桜花姫
- 敵軍の艦隊は不利だと判断したのか無傷の艦艇は早急に戦線を離脱したのである。
「敵部隊を撃退したぞ!」 艦長は笑顔であったが…。副艦長は胸騒ぎを感じる。 「ですが先程の艦隊には大型の戦艦は勿論…輸送艦が一隻も確認出来ませんでした…」 副艦長は恐る恐る…。 「恐らく先程の小規模艦隊は囮艦隊で…陽動作戦では?」 「陽動作戦だと?であれば奴等の本隊は?」 直後である。通信兵が電報にて報告する。 「海防の警備艇より入電です!」 「ん?入電だと?」 「南方国近海より国籍不明の大規模艦隊が接近中との情報です!」 直後…。 「なっ!?」 艦橋内部が一瞬沈黙する。 「大規模艦隊…メトランティス帝国の極東艦隊だな…」 「艦長…如何されますか?」 「即刻南方国近海に移動して奴等を撃滅する!」 「ですが現在地から南方国に移動すると最速でも二時間は経過します…迎撃には…」 現実問題南方国に移動するにも長距離であり最早メトランティス帝国軍の上陸部隊が南方国に上陸するのは時間の問題である。すると艦長が微笑するなり…。 「副艦長…大和神郷国本土には世界最強の巨大海上要塞…鉄壁の桜花姫が大気中であるからな♪」 「桜花姫ですと!?」 絶望的雰囲気だった艦橋内部であるが僅少にも希望が芽生える。 「桜花姫は一隻だけで突撃艦隊に匹敵する戦力を保持した超弩級戦艦だぞ!俺達が南方国に到達する短時間…国防艦隊に南方国への出撃を要請させろ…」 「はっ!」 副艦長は即座に入電にて西方国の軍港に停泊中の国防艦隊に任務内容を伝達する。同時刻…。桜花姫の艦橋では国防艦隊の出撃に当初は大騒ぎするも即座に沈静したのである。
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.46 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:07:29
- 名前: 月影桜花姫
- 「世界最大の超弩級戦艦…桜花姫が出撃するとは…」
桜花姫の艦長が発言する。 「即刻奴等を撃滅!大和神郷国を死守しましょう!」 副艦長が返答したのである。西方国の軍港から国防艦隊が出航する。国防艦隊の旗艦は主力の桜花姫であり護衛用の駆逐艦が二隻…。砲艦三隻の合計六隻の小規模艦隊が出撃したのである。国防艦隊旗艦の桜花姫には唯一水上機が発着出来るカタパルトが搭載される。水上機はパシフィス共和国から発注した旧型偵察機であり海中の潜水艦を撃沈出来る爆雷を搭載する。今現在大和神郷国では航空機は少数であり陸軍と海軍が保有する軍用機は合計十三機程度である。
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.47 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:11:37
- 名前: 月影桜花姫
- 第四話
輸送作戦 同時刻…。パシフィス海軍輸送部隊がパシフィス共和国本土より出航する。輸送部隊の旗艦は輸送艦アスピドケロンである。アスピドケロンは全長二百二十メートル…。全幅四十メートルの超大型輸送艦であり推計二千人以上の輸送要員を艦内に乗艦させられる。兵装は二百ミリメートル高角砲を二基…。四基の四十ミリメートル対空砲を装備する。今回の作戦では大量の武装と食糧品が収納される。輸送部隊は輸送艦のアスピドケロンが中心に…。左右には二隻の護衛駆逐艦が同行する。するとアスピドケロンの副艦長が恐る恐る…。 「政府も一大作戦を計画しましたね…失敗すればメトランティス帝国と全面戦争ですよ…」 「一か八かの大博打だ…覚悟せよ…」 本土から出航してより二時間が経過する。 「早速陽動作戦を開始するか…」 主力艦のアスピドケロンは一時停止…。護衛の駆逐艦二隻が最大船速で先行したのである。メトランティス帝国の本土近海では無数の沿岸警備隊の警備艇が警備中であり迂闊には近寄れない。護衛の駆逐艦二隻が陽動作戦により沿岸の警備隊を翻弄…。手薄状態の海岸にて主力艦のアスピドケロンが突入する作戦である。上陸地点にはレジスタンス勢力が待機…。パシフィス共和国の諜報部隊が事前に彼等に上陸地点を伝達したのである。一時間後…。護衛の駆逐艦部隊がメトランティス帝国沿岸警備隊と遭遇すると直接の戦闘は回避…。グルグルと沿岸警備隊を陽動させたのである。駆逐艦部隊から輸送艦アスピドケロンに伝達される。 「艦長…味方の駆逐艦部隊から入電です…」 「入電だと?」 「敵国沿岸警備隊の陽動は成功したとの情報です…」 「陽動作戦は成功だな♪上陸地点に直行するぞ!」
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.48 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:14:02
- 名前: 月影桜花姫
- 輸送艦アスピドケロンは最大船速でメトランティス帝国本土の上陸地点に直行したのである。一時間後…。輸送艦アスピドケロンは沿岸警備隊にも発見されず無事に上陸地点へと到達する。
「如何やら作戦は成功ですね♪艦長♪」 副艦長が笑顔で発言したのである。 「油断大敵だぞ…副艦長…作戦成功は無事に祖国に戻ってから発言するべきだ…」 「勿論ですとも!」 指摘された副艦長は一礼する。沿岸の上陸地点には大勢の民間人達が確認出来る。アスピドケロンの副艦長が艦橋から望遠鏡で確認する。 「民間人でしょうか…」 「恐らく彼等がレジスタンス勢力だろう…」 アスピドケロンの乗組員達は外出するなり彼等と合流したのである。すると大柄の軍人風の巨漢男性がアスピドケロンの乗組員達に近寄るなり…。 「あんた達はパシフィス共和国の兵隊さんか?」 アスピドケロンの艦長が恐る恐る返答する。 「私はアスピドケロンの艦長だ…約束の武装…食糧品を提供する…」 アスピドケロンの艦首の正面に設置されたハッチが開放される。レジスタンス勢力はアスピドケロン艦内に収納された大量の武装と食糧品を直視すると大喜びする。 「あんた達には感謝するよ♪こんなにも大量の武器と食糧品が確保出来れば今回こそ革命が成功するかも知れない♪」 レジスタンス勢力はアスピドケロンの乗組員達に敬礼したのである。
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.49 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:16:27
- 名前: 月影桜花姫
- 第五話
猛反撃 大和神郷国南方国領海へと到達したメトランティス帝国海軍の極東艦隊は主力の戦艦部隊を先頭に…。南方国の防波堤に配備された固定砲台を目標に砲撃を開始する。極東艦隊の旗艦は新型戦艦のセイバーシップである。セイバーシップは全長二百メートルサイズの新型戦艦であり口径四百ミリメートル主砲を三基搭載…。艦体の総重量は五万トン規模でありメトランティス帝国海軍所属の戦艦では最大級の戦艦である。セイバーシップの艦長が双眼鏡で味方の艦隊に砲撃される防波堤を眺望する。 「所詮は列強の猿真似しか出来ない小国…」 「囮艦隊による陽動作戦も無事成功しました♪奴等の主力艦隊は本土には程遠いでしょうし艦隊同士の戦闘は回避出来そうです…」 艦長は微笑したのである。 「現段階では作戦は順調だ♪数分後には敵地への上陸作戦を開始出来るぞ…」 「ですが大和神郷国のバックには宿敵のパシフィス共和国ですからね…用心しなくては…」 セイバーシップの副艦長が恐る恐る発言する。事実…。メトランティス帝国とパシフィス共和国は対立関係であり今現在メトランティス帝国の強大なる軍事力に対抗出来るのはパシフィス共和国のみである。直後…。セイバーシップに搭載されたレーダーが反応する。 「ん?レーダーが反応しました…」 「敵艦か?」 「如何やら敵部隊の艦隊みたいです…敵艦は数隻ですね…」 「小艦隊か…」 メトランティス帝国の所持するレーダーは非常に高性能であり旗艦のセイバーシップに搭載されたレーダーは最先端の代物である。すると防空指揮所の通信兵が西海の小艦隊を発見する。
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.50 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:18:36
- 名前: 月影桜花姫
- 「西海より所属不明の小規模艦隊が味方の艦隊に接近中です!なっ!?」
驚愕した通信兵の電報に艦橋内部が一瞬騒然とする。 「一体何事か?」 艦長は恐る恐る通信兵に返答したのである。 「敵部隊の小規模艦隊の中央に…モンスターみたいな巨大戦艦です…規格外の巨大戦艦を確認しました…」 「モンスターみたいな巨大戦艦だと?」 艦橋の乗組員達は恐る恐る窓際に近寄るなり…。闇夜の西海を凝視する。 「なっ!?」 艦長は勿論…。艦橋の乗組員達が真夜中の海辺に出現した巨大艦影を直視すると誰もが沈黙したのである。 「艦長…遠方の敵艦は戦艦なのでしょうか?巨大移動要塞ですね…」 副艦長はボソッと発言する。 「大和神郷国みたいな未開の小国が…こんな巨大モンスターを建造するとは…クレイジーだな…」 事実…。パシフィス共和国海軍でも全長三百メートルサイズの超弩級戦艦は一隻として確認されず三百メートルサイズの超弩級戦艦を保有する国家は実質大和神郷国のみである。同時刻…。桜花姫艦内では防空指揮所の通信兵がメトランティス帝国海軍の極東艦隊を発見する。 「南方国領海にメトランティス帝国海軍の極東艦隊を発見しました!」 通信兵の電報が艦橋内部に通信される。 「如何やら奴等は上陸の準備中みたいだな…」 「艦長!敵部隊に攻撃するチャンスですぞ!今現在なら敵部隊の本土上陸を阻止出来ます!」 「止むを得ないな…」 艦長は一息するなり…。 「目標は最前線の敵軍輸送艦!砲撃開始!即刻輸送艦を撃沈せよ!」
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.51 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:21:20
- 名前: 月影桜花姫
- 直後である。口径八百ミリメートルの巨大主砲が炸裂する。発射された桜花姫の巨大砲弾が数秒後…。最前線に位置するフェンリル級輸送艦に着弾する。フェンリル級輸送艦の甲板に着弾すると爆散…。フェンリル級輸送艦の艦体が爆散により切断されたのである。切断されたフェンリル級輸送艦の艦内からは新兵器である多数の歩兵戦車…。数百人もの乗組員達が吹っ飛ばされる。初戦からの輸送艦撃沈の大戦果に桜花姫の乗組員達は勿論…。味方艦艇の乗組員達は大喜びしたのである。輸送艦撃沈に国防艦隊全体の士気が高揚する。
「初弾で命中とは…」 「早速訓練の成果が発揮されましたね♪」 艦長と副艦長達も初戦の大戦果に歓喜したのである。 「油断は禁物である!奴等を徹底的に撃滅させ…祖国を死守するぞ!」 同時刻…。メトランティス帝国極東艦隊は大混乱の状態であり一時的に上陸作戦を中止させ輸送艦隊を後方へと退避させる。旗艦のセイバーシップを先頭に…。主力の戦闘艦隊が最前線へと急行する。 「大和神郷国の巨大モンスター戦艦を撃沈せよ!全軍総攻撃開始!」 四隻の戦艦と八隻の巡洋戦艦…。十六隻の駆逐艦が桜花姫に接近する。セイバーシップの艦長が砲撃を指示すると戦艦艦隊が桜花姫を目標に砲撃したのである。同時刻…。 「敵艦が砲撃を開始しました!」 三発の大型戦艦の徹甲弾が艦首と前方甲板に着弾したのである。直後に爆散するも桜花姫に使用された装甲は強固の牢固石であり着弾視点に爆散の痕跡が僅少に確認出来る程度…。実質無傷だったのである。 「先程の砲撃でノーダメージとは…桜花姫は本物の不沈戦艦ですな♪」 副艦長の発言に艦長は断言する。 「勿論桜花姫は世界最大の戦艦だ!数発の徹甲弾程度で仕留められるか…」
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.52 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:24:19
- 名前: 月影桜花姫
- 艦長は最前線の敵艦への攻撃を強行したのである。
「敵艦に砲撃せよ!目標は最前線の戦艦部隊!」 再度砲弾を装填…。主砲から合計六発の巨大砲弾が炸裂する。数秒後…。一発の砲弾が護衛の巡洋戦艦イモータルに直撃したのである。すると巡洋戦艦イモータルの甲板に主砲砲弾が貫通した直後…。弾薬庫に収納された弾薬に引火したのである。数秒後…。弾薬庫の誘爆により巡洋戦艦イモータルは一瞬で轟沈したのである。 「敵部隊の巡洋戦艦を撃沈しました!」 「敵艦を二隻も撃沈するとは!」 二度の大戦果に艦長は大喜びする。同時刻…。極東艦隊主力艦のセイバーシップ艦内では桜花姫の快進撃に畏怖する。 「小国の一隻の戦艦によってフェンリル級輸送艦を一隻…巡洋戦艦イモータルが敵艦の一撃で轟沈させられるとは…」 「ですが艦長!敵部隊は所詮小規模艦隊です!強固に建造された不沈戦艦でも弾薬が欠乏すれば単なる鉄屑同然ですよ…」 同時刻…。南方国近海にて極東艦隊所属の潜水艦アクアフィッシュが潜航する。潜望鏡より規格外の巨大戦艦を発見したのである。 「南方国近海海面上より敵軍の大型戦艦を一隻発見しました!規格外の巨大さです!」 アクアフィッシュの乗組員は桜花姫の巨大さに驚愕する。 「規格外の巨大戦艦だと?」 アクアフィッシュの艦長は恐る恐る潜望鏡から南方国近海の海面上を直視したのである。 「なっ!?」 海面上の桜花姫を確認すると規格外の巨大さに驚愕する。 「戦艦なのか?海面上の移動要塞みたいだな…」 艦長は一息するなり…。 「魚雷を用意しろ…此奴を撃沈すれば俺達の昇格は確実だぞ♪」 「承知しました!」
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.53 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:26:26
- 名前: 月影桜花姫
- アクアフィッシュの魚雷発射管に魚雷を装填させると四本の魚雷を射出する。同時刻…。桜花姫の防空指揮所では通信兵が四本の魚雷に気付いたのである。
「左舷前方より魚雷四発を確認しました!本艦に直進中です!」 通信兵は即座に入電する。 「魚雷だと!?即刻回避しろ!」 艦長は回避を指示するが魚雷は高速であり数秒後…。左舷前方の舷側より水柱が発生する。すると後方の味方駆逐艦一隻と砲艦一隻に魚雷が命中…。二隻とも一瞬で轟沈したのである。 「畜生…味方が撃沈されたか…」 艦長はピリピリする。 「本艦への被害は?」 艦長は機関室に入電したのである。機関室の乗組員が返答する。 「左舷前方に魚雷一発が命中しましたが本艦は無傷です!」 事実桜花姫に使用された装甲は牢固石であり通常の魚雷では擦り傷すら皆無だったのである。 「桜花姫は正真正銘不沈戦艦だったな♪」 桜花姫は無傷であり艦長はホッとする。 「艦長…先程の魚雷攻撃は恐らく潜水艦かと…」 「潜水艦だと?」 「海面上には艦影は確認出来ませんでした…」 艦長は一瞬沈黙するなり…。 「であれば艦載機の偵察機を出撃させるか…潜水艦相手なら爆雷で仕留められるだろ…」 艦尾に設置されたカタパルトから二機の偵察機を出撃させる。偵察機には爆雷が搭載され対潜戦闘には適当である。偵察機は南方国近海の海面上を飛来する。同時刻…。アクアフィッシュ艦内では魚雷の装填が開始される。 「一度の攻撃で敵艦を撃沈出来ましたが…主力の大物は仕留められなかったですね…」 「今度こそ敵部隊の大物を仕留めるぞ!」 魚雷発射を指示する直前…。ソナーが反応する。 「ソナーが反応しました…」 「ん?一体何が?」
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.54 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:28:35
- 名前: 月影桜花姫
- 直後…。アクアフィッシュの甲板より正体不明の落下物が接触するとアクアフィッシュは艦体諸共轟沈したのである。桜花姫の位置から三キロメートルの長距離より水柱が発生する。
「如何やら味方の艦載機が敵部隊の潜水艦を撃沈したみたいですね♪」 「一安心だな♪艦砲射撃を再開するか…」 「勿論ですとも!」 同時刻…。セイバーシップの艦長は小型空母の航空隊に航空攻撃の実施を電報する。 「空母…エキドナ…航空隊を発進させろ!」 すると数秒後…。 「艦長!旗艦のセイバーシップより入電です…」 旗艦セイバーシップから空母エキドナの艦橋に電報が通信される。エキドナの通信兵は即座に艦長へと伝達する。 「何事だ?」 「敵部隊への航空攻撃の指令が発令されました…」 「航空隊の出番か…」 空母エキドナとは世界初の航空機を搭載した小型航空母艦である。当初は二百二十メートルサイズの巡洋戦艦だったが航空機の誕生により甲板の武装を撤去され…。飛行甲板と多数の機体を搭載出来る輸送艦へと改装されたのである。今現在は実験段階であり本格的に初期の段階から航空母艦として設計された大型艦はメトランティス帝国は勿論…。列強各国でも皆無である。四十人のパイロット達は即座に艦載機に乗機する。数分後…。極東艦隊後方支援部隊の小型空母が四十機もの艦載機を出撃させる。機種は魚雷を搭載させた雷撃機であり国防艦隊の上空より二百キロメートル毎時の速度で急接近する。桜花姫の艦橋に搭載されたレーダーが無数の雷撃機をキャッチしたのである。 「極東艦隊後方より多数の艦載機が本艦に接近中です!」 「敵機だと?」
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.55 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:30:58
- 名前: 月影桜花姫
- すると無数の機影が低空飛行で桜花姫に殺到する。
「機種は恐らく雷撃機だな…対空戦闘を開始せよ!接近中の敵機を撃墜しろ!」 百二十ミリメートル高角砲は勿論…。対空用の対空機関砲が上空の雷撃機に炸裂する。無数の弾幕を展開するも高速の雷撃機を撃墜するのは実質困難であり命中しない。すると弾幕を回避した雷撃機が十数本の魚雷を投下…。桜花姫に四発の魚雷が命中する。後方に位置する護衛の駆逐艦と砲艦一隻にも魚雷が一発ずつ命中…。砲艦は大破するも沈没は回避出来たが護衛の駆逐艦は魚雷の爆散によって轟沈したのである。 「味方の駆逐艦が撃沈されました…護衛の駆逐艦は全滅です…」 「畜生が…」 味方の駆逐艦が二隻とも撃沈され艦長は一瞬沈黙するが…。 「後方の砲艦に兵員の救助を急行させろ…」 「はっ!」 桜花姫は四発の魚雷が艦底に着弾するも牢固石の装甲は頑丈であり四発の魚雷が着弾しても無傷だったのである。桜花姫は対空戦闘により二機の雷撃機を撃墜…。三機の雷撃機を損傷させる。極東艦隊航空隊が帰還したのである。桜花姫の艦長は数秒後…。 「極東艦隊の中心部に突撃して敵軍艦隊を蹴散らせるぞ…」 「承知しました…」 桜花姫は特殊無限機関の性能を最大限に活用するなり極東艦隊へと急接近したのである。同時刻…。桜花姫の動向に極東艦隊は困惑する。 「敵艦が一隻で極東艦隊に急接近します!」 「モンスター戦艦は血迷ったか…全軍総攻撃!モンスター戦艦を撃沈せよ!」 極東艦隊の戦艦部隊は勿論…。多数の駆逐艦部隊も魚雷攻撃を開始する。数十発…。数百発もの砲弾と魚雷が桜花姫に集中する。極東艦隊はレーダー射撃により正確に砲弾を命中させるのだが桜花姫に使用された牢固石の装甲は無傷である。
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.56 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:33:05
- 名前: 月影桜花姫
- 「畜生…こんなにも被弾したのにビクともしないなんて…」
誰もが桜花姫の頑強さに絶句する。桜花姫が猛反撃するとセイバーシップの同型戦艦であるタイラントキングの艦橋に主砲砲弾が命中…。口径八百ミリメートル主砲の砲弾はタイラントキングの艦底をも貫通させ艦体を両断させる。数秒後…。タイラントキングの艦体は広範囲に爆散したのである。数百人もの乗組員達が海面上に吹っ飛ばされる。 「タイラントキングが撃沈されました!」 「タイラントキングが!?」 (最新型の戦艦が一撃で撃沈されるとは…大和神郷国の戦艦は本物の怪物か…) すると今度は魚雷攻撃を展開する護衛用の駆逐艦が二隻同時に轟沈する。 「今度は味方の駆逐艦が二隻…撃沈されました…」 「畜生…」 今迄の常識が通用しない相手に極東艦隊の兵員達は絶句したのである。 (大和神郷国は海軍力だけなら…パシフィス共和国をも上回るかも知れないな…) 大和神郷国の底力を認識する。直後…。バンっと艦内全域に爆発音が響き渡る。 「今度は何事だ!?」 「大変です!後方の第三主砲砲塔に敵艦の砲弾が直撃しました!」 セイバーシップの後方に搭載された第三主砲砲塔に桜花姫の砲弾が直撃…。後方甲板が大破したのである。 「敵弾が第三主砲に直撃するとは…」 すると今度は艦首前方に桜花姫の主砲砲弾が着弾する。主砲砲弾の着弾によりセイバーシップの艦体全体がグラっと震動したのである。 「うわっ!」 艦体全体の震動により艦長は横たわる。 「大丈夫ですか!?艦長!?」 「ぐっ!私は…大丈夫だ…」
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.57 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:35:28
- 名前: 月影桜花姫
- セイバーシップは第一主砲砲塔と第二主砲砲塔が破壊され…。甲板全域が大破したのである。ダメージコントロールの向上により危機一髪沈没は回避するも主砲砲塔が破壊され戦闘は出来なくなる。
「本艦の主砲が敵艦に破壊されました…最早本艦は戦闘不能です…」 艦長は沈黙する。直後…。通信兵が艦橋内部に入室する。 「艦長!本土の総本部より入電です!」 「総本部から入電だと?一体何事だ?」 「本土の西方地帯で帝国陸軍の小部隊がレジスタンス勢力と交戦中…現段階では帝国陸軍の小部隊と警察隊が劣勢との報告です…」 「レジスタンス勢力だと!?」 近年メトランティス帝国国内では小規模の反政府勢力が活動中であり問題視されたのである。今回の大和神郷国侵攻作戦で本土を防衛するメトランティス帝国陸軍の主力部隊は不在でありパシフィス共和国の海軍小規模輸送部隊から長期戦を想定された最新式の武装と食糧品を確保したレジスタンス勢力は活動を本格化…。国内で大規模の内戦が勃発したのである。 「即刻大和神郷国から撤退…レジスタンス勢力を鎮圧しろとの命令です…」 すると副艦長が恐る恐る発言する。 「艦長…如何されますか?」 艦長は一息するなり…。 「止むを得ないな…」 不本意であるが作戦を中止する。旗艦のセイバーシップも大破した状態であり戦闘を継続しても艦隊の損害を増加させるだけである。 「極東の制海権を確保出来ないのは残念であるが…最早自軍に大和神郷国で戦闘する余裕も理由も無くなった…」 「即刻帰還して国内のレジスタンス勢力を鎮圧しましょう…」 セイバーシップの艦長は極東艦隊全体に撤退を伝播させる。同時刻…。桜花姫の防空指揮所では偵察員が極東艦隊の白旗を確認する。
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.58 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:37:47
- 名前: 月影桜花姫
- 「敵軍の主力艦から白旗を確認しました!敵部隊が撤退します!」
直後…。艦内では戦闘の勝利からか乗組員達が大喜びする。 「艦長!勝利しましたね♪」 「今夜は乾杯だな…」 数分後である。本隊である突撃艦隊が南方国近海に到達するが…。 「艦長!敵部隊が撤退します!」 「なっ!?敵部隊が撤退だと!?」 突撃艦隊主力艦である巡洋戦艦天津神の艦長と副艦長が撤退する敵部隊を直視したのである。副艦長は双眼鏡で敵艦を直視する。 「敵艦から白旗が確認されました…」 「如何やら本当に国防艦隊だけでメトランティス帝国海軍の極東艦隊を撃退したのか…」 小艦隊の国防艦隊のみで大規模の極東艦隊を撃退した事実に突撃艦隊の将兵達は驚愕したのである。すると天津神の艦長はニコッと微笑する。 「今回は俺達の出番は国防艦隊の活躍で無くなっちまったが…今度の戦闘では俺達も頑張るぞ!」 「勿論ですとも♪艦長!」 天津神の艦橋では将兵達が談笑したのである。
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.59 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:39:48
- 名前: 月影桜花姫
- 第六話
軍拡 メトランティス帝国海軍極東艦隊との戦闘は極東海戦と命名され史上最大の大海戦として認識されたのである。今回の戦闘で極東艦隊は大型艦では戦艦一隻と巡洋戦艦一隻を喪失…。陸軍の上陸部隊を乗艦させた輸送艦一隻を喪失する。小型の護衛艦では駆逐艦が五隻と潜水艦を一隻喪失…。補助用の小型船では魚雷艇を五隻撃沈され艦載機を二機喪失する。損傷では旗艦のセイバーシップが大破…。数隻の艦艇が損傷したのである。人的損害は合計三千人以上…。当初の想定を上回る予想外の損害に国軍関係者達は誰もが絶句する。大和神郷国海軍の損害は国防艦隊所属の駆逐艦二隻と砲艦一隻を喪失…。一隻の駆逐艦が大破する。戦死者は推計二百人前後だったのである。極東海戦の歴史的勝利から一年後…。大和神郷国は極東唯一の列強の一員として認識されたのである。メトランティス帝国は一年間の内戦でレジスタンス勢力には勝利するも国全体の国力が低下…。全世界の覇権はメトランティス帝国からパシフィス共和国が掌握したのである。極東海戦から二週間後…。パシフィス共和国国会議事堂では議会が開催される。 「本日の議題ですが…今後の海軍の改革を評議しましょう…」 パシフィス共和国軍は今回の極東海戦で大和神郷国海軍の戦艦桜花姫が一隻でメトランティス帝国海軍を撃退した事実に海軍の軍拡が浮上し始めたのである。議会の中心人物である大総統が発言する。 「極東海戦以後…全世界の覇権は無事パシフィス共和国が掌握出来ました…」 「メトランティス帝国はレジスタンス勢力との内戦で相当弱体化しましたからね♪」
|
超弩級戦艦桜花姫 ( No.60 ) |
- 日時: 2021/04/05 09:41:52
- 名前: 月影桜花姫
- 今現在メトランティス帝国はレジスタンス勢力との内戦で辛勝するも国全体の国力低下により軍事力は縮小…。国民主義を標榜するメトランティス共和国独立派が勃興すると超大国メトランティス帝国は旧帝国と新共和国に分裂したのである。数年後には全世界を牛耳るとも畏怖された超大国メトランティス帝国であるが…。内戦により国家が分裂した事実に各議員達が大喜びする。
「今後は私達の時代が到来しますな♪」 すると大総統は周囲を凝視するなり…。 「余談は終了します…本日の議題ですが…」 大総統の表情に各議員達はシーンッと沈黙したのである。 「荒唐無稽に感じられるかも知れませぬが…今回の極東海戦では大和神郷国海軍の超巨大戦艦…桜花姫が一隻だけでメトランティス帝国海軍を撃退しました…今後の方針としてパシフィス海軍にも大和神郷国の桜花姫に対抗出来る超巨大戦艦の建造は勿論ですが…航空戦力と潜水艦隊の拡張…新型特殊光弾の開発も急行させるべきとの意見が多数提出されました…」 すると差別主義者の議員達が反論する。 「失礼ですが戦艦桜花姫でしたっけ?本当に極東の小国が建造した猿真似の戦艦が一隻だけで世界最強のメトランティス帝国海軍を撃退したのですか?」 「大昔の神話みたいですな♪本当なのか正直疑問ですよ…」 「事実だとしても奴等が戦争に勝利出来たのはメトランティス帝国が国内で内戦状態に移行したからでしょう♪」 「大和神郷国は偶然にも幸運だっただけで…所詮奴等の実力なんて♪」 差別主義者の議員達は揶揄するのだが…。大総統は無言の圧力で彼等に睥睨したのである。 「なっ!」 大総統の無言の圧力により差別主義者の議員達は即座に沈黙する。
|