超弩級戦艦桜花姫 ( No.61 ) |
- 日時: 2021/02/07 13:50:49
- 名前: 月影桜花姫
- 「はっ!」
副艦長は即座に入電にて西方国の軍港に停泊中の国防艦隊に任務内容を伝達する。同時刻…。桜花姫の艦橋では国防艦隊の出撃に当初は大騒ぎするも即座に沈静したのである。 「世界最大の超弩級戦艦…桜花姫が出撃するとは…」 桜花姫の艦長が発言する。 「即刻奴等を撃滅!大和神郷国を死守しましょう!」 副艦長が返答したのである。西方国の軍港から国防艦隊が出航する。国防艦隊の旗艦は主力の桜花姫であり護衛用の駆逐艦が二隻…。砲艦三隻の合計六隻の小規模艦隊が出撃する。旗艦の桜花姫には唯一水上機が発着出来るカタパルトが搭載される。水上機はパシフィス共和国から発注した旧型偵察機であり海中の潜水艦を撃沈出来る爆雷を搭載する。今現在大和神郷国では航空機は少数であり陸軍と海軍が保有する軍用機は合計十三機程度である。
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.62 ) |
- 日時: 2021/02/07 13:52:52
- 名前: 月影桜花姫
- 第四話
南方国領海へと到達したメトランティス帝国海軍の極東艦隊は主力の戦艦部隊を先頭に…。南方国の防波堤に配備された固定砲台を目標に砲撃を開始する。極東艦隊の旗艦は新型戦艦のセイバーシップである。セイバーシップは全長二百メートルサイズの新型戦艦であり口径四百ミリメートル主砲を三基搭載…。艦体の総重量は五万トン規模でありメトランティス帝国海軍所属の戦艦では最大級の戦艦である。セイバーシップの艦長が双眼鏡で味方の艦隊に砲撃される防波堤を眺望する。 「所詮は列強の猿真似しか出来ない小国…」 「囮艦隊による陽動作戦も無事成功しました♪奴等の主力艦隊は本土には程遠いでしょうし艦隊同士の戦闘は回避出来そうです…」 艦長は微笑したのである。 「現段階では作戦は順調だ♪数分後には敵地への上陸作戦を開始出来るぞ…」 「ですが大和神郷国のバックには宿敵のパシフィス共和国ですからね…用心しなくては…」 セイバーシップの副艦長が恐る恐る発言する。事実…。メトランティス帝国とパシフィス共和国は対立関係であり今現在メトランティス帝国の強大なる軍事力に対抗出来るのはパシフィス共和国のみである。直後…。セイバーシップに搭載されたレーダーが反応する。 「ん?レーダーが反応しました…」 「敵艦か?」 「如何やら敵部隊の艦隊みたいです…敵艦は数隻ですね…」
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.63 ) |
- 日時: 2021/02/07 13:54:58
- 名前: 月影桜花姫
- 「小艦隊か…」
メトランティス帝国の所持するレーダーは非常に高性能であり旗艦のセイバーシップに搭載されたレーダーは最先端の代物である。すると防空指揮所の通信兵が西海の小艦隊を発見する。 「西海より所属不明の小規模艦隊が味方の艦隊に接近中です!なっ!?」 驚愕した通信兵の電報に艦橋内部が一瞬騒然とする。 「一体何事か?」 艦長は恐る恐る通信兵に返答したのである。 「敵部隊の小規模艦隊の中央に…モンスターみたいな巨大戦艦です…規格外の巨大戦艦を確認しました…」 「モンスターみたいな巨大戦艦だと?」 艦橋の乗組員達は恐る恐る窓際に近寄るなり…。闇夜の西海を凝視する。 「なっ!?」 艦長は勿論…。艦橋の乗組員達が真夜中の海辺に出現した巨大艦影を直視すると誰もが沈黙したのである。 「艦長…遠方の敵艦は戦艦なのでしょうか?巨大移動要塞ですね…」 副艦長はボソッと発言する。 「大和神郷国みたいな未開の小国が…こんな巨大モンスターを建造するとは…クレイジーだな…」 事実…。パシフィス共和国海軍でも全長三百メートルサイズの超弩級戦艦は一隻として確認されず三百メートルサイズの超弩級戦艦を保有する国家は実質大和神郷国のみである。同時刻…。桜花姫艦内では防空指揮所の通信兵がメトランティス帝国海軍の極東艦隊を発見する。 「南方国領海にメトランティス帝国海軍の極東艦隊を発見しました!」 通信兵の電報が艦橋内部に通信される。
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.64 ) |
- 日時: 2021/02/07 13:57:05
- 名前: 月影桜花姫
- 「如何やら奴等は上陸の準備中みたいだな…」
「艦長!敵部隊に攻撃するチャンスですぞ!今現在なら敵部隊の本土上陸を阻止出来ます!」 「止むを得ないな…」 艦長は一息するなり…。 「砲撃開始!目標は最前線の敵軍輸送艦!即刻砲撃せよ!」 直後である。口径八百ミリメートルの巨大主砲が炸裂する。発射された桜花姫の巨大砲弾が数秒後…。最前線の輸送艦に着弾する。輸送艦の甲板に着弾すると爆散…。輸送艦の艦体が爆散により切断されたのである。切断された輸送艦の艦内からは新兵器の重戦車…。数百人もの乗組員達が吹っ飛ばされる。初戦からの輸送艦撃沈の戦果に桜花姫の乗組員達は勿論…。味方艦艇の乗組員達は大喜びするなり士気が高騰する。 「初弾で命中とは…」 「早速訓練の成果が発揮されましたね♪」 艦長と副艦長達も初戦の大戦果に歓喜したのである。 「油断は禁物である!奴等を撃滅させ祖国を死守するぞ!」 同時刻…。メトランティス帝国極東艦隊は大混乱の状態であり一時的に上陸作戦を中止させ輸送艦隊を後方へと退避させる。旗艦のセイバーシップを先頭に…。主力の戦闘艦隊が最前線へと急行する。 「大和神郷国の巨大モンスター戦艦を撃沈せよ!全軍総攻撃開始!」 四隻の戦艦と八隻の巡洋戦艦…。十六隻の駆逐艦が桜花姫に接近する。セイバーシップの艦長が砲撃を指示すると戦艦艦隊が桜花姫を目標に砲撃したのである。同時刻…。 「敵艦が砲撃を開始しました!」
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.65 ) |
- 日時: 2021/02/07 14:01:35
- 名前: 月影桜花姫
- 三発の大型戦艦の徹甲弾が艦首と前方甲板に着弾したのである。直後に爆散するも桜花姫に使用された装甲は強固の牢固石であり着弾視点に爆散の痕跡が僅少に確認出来る程度…。実質無傷だったのである。
「先程の砲撃でノーダメージとは…桜花姫は本物の不沈戦艦ですな♪」 副艦長の発言に艦長は断言する。 「勿論桜花姫は世界最大の戦艦だ!数発の徹甲弾程度で仕留められるか…」 艦長は最前線の敵艦への攻撃を強行したのである。 「敵艦に砲撃せよ!目標は最前線の戦艦部隊!」 砲弾を装填…。主砲から合計六発の巨大砲弾が炸裂する。数秒後…。一発の砲弾が護衛の巡洋戦艦に直撃したのである。すると巡洋戦艦の甲板に主砲砲弾が貫通した直後…。弾薬庫に収納された弾薬に引火したのである。数秒後…。弾薬庫の誘爆により巡洋戦艦は一瞬で轟沈したのである。 「敵部隊の巡洋戦艦を撃沈しました!」 「敵艦を二隻撃沈したか♪」 二度の大戦果に艦長は大喜びする。同時刻…。極東艦隊主力艦のセイバーシップ艦内では桜花姫の快進撃に畏怖する。 「小国の一隻の戦艦によって味方の輸送艦を一隻…巡洋戦艦一隻を一撃で轟沈させられるとは…」 「ですが艦長!敵部隊は所詮小規模艦隊です!強固に建造された不沈戦艦でも弾薬が欠乏すれば単なる鉄屑同然ですよ…」 同時刻…。南方国近海にて極東艦隊所属の潜水艦が潜航する。潜望鏡より規格外の巨大戦艦を発見したのである。 「南方国近海海面上より敵軍の戦艦を一隻発見しました!規格外の巨大さです!」 潜水艦の乗組員は桜花姫の巨大さに驚愕する。 「巨大戦艦だと?」 潜水艦の艦長は恐る恐る潜望鏡から南方国近海の海面上を直視したのである。
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.66 ) |
- 日時: 2021/02/07 14:04:04
- 名前: 月影桜花姫
- 「なっ!?」
海面上の桜花姫を確認すると規格外の巨大さに驚愕する。 「戦艦なのか?海面上の移動要塞だな…」 艦長は一息するなり…。 「魚雷を用意しろ…此奴を撃沈すれば俺達の昇格は確実だ♪」 「承知しました!」 潜水艦の魚雷発射管に魚雷を装填させると四本の魚雷を射出する。同時刻…。桜花姫の防空指揮所では通信兵が四本の魚雷に気付いたのである。 「左舷前方より魚雷四発を確認しました!本艦に直進中です!」 通信兵は即座に入電する。 「魚雷だと!?即刻回避しろ!」 艦長は回避を指示するが魚雷は高速であり数秒後…。左舷前方の舷側より水柱が発生する。すると後方の味方駆逐艦一隻と砲艦一隻に魚雷が命中…。一瞬で轟沈したのである。 「畜生…味方が撃沈されたか…」 艦長はピリピリする。 「本艦の被害は?」 艦長は機関室に入電したのである。機関室の乗組員が返答する。 「左舷前方に魚雷一発が命中しましたが本艦は無傷です!」 事実桜花姫に使用された装甲は牢固石であり通常の魚雷では擦り傷すら皆無だったのである。 「桜花姫は正真正銘不沈戦艦だな♪」 桜花姫は無傷であり艦長はホッとする。 「艦長…先程の攻撃は恐らく潜水艦かと…」 「潜水艦だと?」 「海面上には艦影は確認出来ませんでした…」 艦長は一瞬沈黙するなり…。 「であれば艦載機の偵察機を出撃させるか…潜水艦相手なら爆雷で仕留められるだろ…」 艦尾に設置されたカタパルトから二機の偵察機を出撃させる。偵察機には爆雷が搭載され対潜戦闘には適当である。偵察機は南方国近海の海面上を飛来する。同時刻…。潜水艦艦内では魚雷の装填が開始される。 「一度の攻撃で敵艦を撃沈出来ましたが…主力の大物は仕留められなかったですね…」
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.67 ) |
- 日時: 2021/02/07 14:07:44
- 名前: 月影桜花姫
- 「今度こそ敵軍の大物を仕留めるぞ!」
魚雷発射を指示する直前…。ソナーが反応する。 「ソナーが反応しました…」 「ん?一体何が?」 直後…。潜水艦の甲板より落下物が接触すると潜水艦は艦体諸共轟沈したのである。桜花姫の位置から三キロメートルの長距離より水柱が発生する。 「如何やら味方の艦載機が潜水艦を撃沈したみたいですね♪」 「一安心だな♪艦砲射撃を再開するか…」 「勿論ですとも!」 同時刻…。極東艦隊後方支援部隊の小型空母が四十機もの艦載機を出撃させる。機種は魚雷を搭載させた雷撃機であり上空より国防艦隊に急接近する。桜花姫に搭載されたレーダーが無数の雷撃機をキャッチしたのである。 「極東艦隊後方より多数の艦載機が本艦に接近中です!」 「敵機だと?」 すると無数の機影が低空飛行で桜花姫に殺到する。 「機種は恐らく雷撃機だな…対空戦闘を開始せよ!敵機を撃墜しろ!」 高角砲は勿論…。対空用の機関砲が上空の雷撃機に炸裂する。無数の弾幕を展開するも高速の雷撃機を撃墜するのは実質困難であり命中しない。すると弾幕を回避した雷撃機が十数本の魚雷を投下…。桜花姫に四発の魚雷が命中する。後方に位置する護衛の駆逐艦と砲艦一隻にも魚雷が一発ずつ命中…。砲艦は大破するも沈没は回避出来たが護衛の駆逐艦は魚雷の爆散によって轟沈したのである。
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.68 ) |
- 日時: 2021/02/07 14:14:23
- 名前: 月影桜花姫
- 「味方の駆逐艦が撃沈されました…護衛の駆逐艦は全滅です…」
「畜生が…」 味方の駆逐艦が二隻とも撃沈され艦長は一瞬沈黙するが…。 「後方の砲艦に兵員の救助を急行させろ…」 「はっ!」 桜花姫は四発の魚雷が艦底に着弾するも牢固石の装甲は頑丈であり四発の魚雷が着弾しても無傷だったのである。桜花姫は対空戦闘により二機の雷撃機を撃墜…。三機の雷撃機を損傷させる。極東艦隊航空隊が帰還したのである。桜花姫の艦長は数秒後…。 「極東艦隊の中心部に突撃して敵軍艦隊を蹴散らせるぞ…」 「承知しました…」 桜花姫は特殊無限機関の性能を最大限に活用するなり極東艦隊へと急接近したのである。同時刻…。桜花姫の動向に極東艦隊は困惑する。 「敵艦が一隻で急接近します!」 「モンスター戦艦は血迷ったか…全軍総攻撃!モンスター戦艦を撃沈せよ!」 戦艦部隊は勿論…。多数の駆逐艦部隊も砲撃を展開する。数十発…。数百発もの砲弾が桜花姫に集中する。極東艦隊はレーダー射撃により正確に砲弾を命中させるが桜花姫の牢固石の装甲は無傷である。 「こんなにも被弾したのにビクともしないなんて…」 誰もが桜花姫の頑強さに絶句する。桜花姫が砲撃するとセイバーシップの同型戦艦であるタイラントキングの艦橋に主砲砲弾が命中…。八百ミリメートル主砲の砲弾はタイラントキングの艦底をも貫通させ艦体を両断させる。数秒後…。タイラントキングは広範囲に爆散したのである。数百人もの乗組員達が海面上に吹っ飛ばされる。 「タイラントキングが撃沈されました!」 「タイラントキングが!?」
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.69 ) |
- 日時: 2021/02/07 14:16:30
- 名前: 月影桜花姫
- (新型の戦艦が一撃で撃沈されるとは…大和神郷国の戦艦は本物の怪物か…)
すると今度は護衛の駆逐艦が二隻同時に轟沈する。 「今度は味方の駆逐艦二隻…撃沈されました…」 「畜生…」 今迄の常識が通用しない相手に極東艦隊の兵員達は絶句したのである。 (大和神郷国は海軍力だけなら…パシフィス共和国をも上回るかも知れないな…) 大和神郷国の底力を認識する。直後…。バンっと艦内全域に響き渡る。 「今度は何事だ!?」 「大変です!後方の第三主砲砲塔に敵艦の砲弾が直撃しました!」 セイバーシップの後方に搭載された第三主砲砲塔に桜花姫の砲弾が直撃…。後方甲板が大破したのである。 「第三主砲に直撃するとは…」 すると今度は艦首前方に桜花姫の主砲砲弾が着弾する。主砲砲弾の着弾により艦体全体がグラっと震動したのである。 「うわっ!」 艦体全体の震動に艦長は横たわる。 「大丈夫ですか!?艦長!?」 「私は…大丈夫だ…」 セイバーシップは第一主砲砲塔と第二主砲砲塔が破壊され…。甲板全域が大破したのである。間一髪沈没は回避するも戦闘は出来なくなる。 「本艦の主砲が敵艦に破壊されました…最早戦闘不能です…」 艦長は沈黙する。直後…。通信兵が艦橋内部に入室する。
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.70 ) |
- 日時: 2021/02/07 14:18:36
- 名前: 月影桜花姫
- 「艦長!本土の総本部より入電です!」
「総本部から入電だと?一体何事だ?」 「本土の西方地帯で帝国陸軍がレジスタンス勢力と交戦中…現段階では帝国陸軍が劣勢との報告です…」 「レジスタンス勢力だと!?」 近年メトランティス帝国国内では小規模の反政府勢力が活動中であり問題視されたのである。今回の大和神郷国侵攻作戦で本土を防衛する陸軍の主力部隊は不在でありレジスタンス勢力は活動を本格化…。国内で大規模の内戦が勃発したのである。 「即刻撤退しろとの命令です…」 「艦長…如何されますか?」 艦長は一息するなり…。 「止むを得ないな…」 不本意であるが作戦を中止する。旗艦のセイバーシップも大破した状態であり戦闘を継続しても艦隊の損害を増加させるだけである。 「極東の制海権を確保出来ないのは残念だが…最早大和神郷国で戦闘する余裕も理由も無くなった…」 「即刻帰還して国内のレジスタンス勢力を鎮圧しましょう…」 セイバーシップの艦長は極東艦隊に撤退を伝播させる。同時刻…。桜花姫の防空指揮所では偵察員が極東艦隊の白旗を確認する。 「敵軍の主力艦から白旗を確認しました!敵部隊が撤退します!」 直後…。艦内では戦闘の勝利からか乗組員達が大喜びする。 「艦長!勝利しましたね♪」 「今夜は乾杯だな…」 数分後…。本隊の突撃艦隊が南方国近海に到達するが小艦隊の国防艦隊のみで大規模の極東艦隊を撃退した事実に驚愕したのである。
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.71 ) |
- 日時: 2021/02/07 14:21:06
- 名前: 月影桜花姫
- 最終話
メトランティス帝国海軍極東艦隊との戦闘は極東海戦と命名され史上最大の大海戦として認識されたのである。今回の戦闘で極東艦隊は大型艦では戦艦一隻と巡洋戦艦一隻を喪失…。陸軍の上陸部隊を乗艦させた輸送艦一隻を喪失する。小型の護衛艦では駆逐艦が五隻と潜水艦を一隻喪失…。補助用の小型船では魚雷艇を五隻撃沈され艦載機を二機喪失する。損傷では旗艦のセイバーシップが大破…。数隻の艦艇が損傷したのである。人的損害は合計三千人以上…。当初の想定を上回る予想外の損害に国軍関係者達は誰もが絶句する。大和神郷国海軍の損害は国防艦隊所属の駆逐艦二隻と砲艦一隻を喪失…。一隻の駆逐艦が大破する。戦死者は推計二百人前後だったのである。極東海戦の歴史的勝利から一年後…。大和神郷国は極東唯一の列強の一員として認識されたのである。メトランティス帝国は一年間の内戦でレジスタンス勢力には勝利するも国力が低下…。全世界の覇権はメトランティス帝国からパシフィス共和国が掌握したのである。極東海戦から一年後の春頃…。一人の将校が月影桜花姫の墓参りに来訪する。 「大和神郷国も列強の一員とは…」 すると直後である。作業服の青年が恐る恐る将校に近寄る。 「ひょっとして大佐ですか?」 大佐と呼称された将校は建造中の超弩級戦艦に桜花姫と名付けた海軍将校である。 「貴様は作業員の…」 「こんな場所で大佐と再会するなんて奇遇ですね♪」 久方振りの再会に彼等は一礼する。
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.72 ) |
- 日時: 2021/02/07 14:23:29
- 名前: 月影桜花姫
- 「ですが国防艦隊だけで世界最強の極東艦隊に勝利するなんて…実質桜花姫だけで撃退したらしいですね♪」
作業員は大喜びした様子で発言する。 「俺達はメトランティス帝国には勝利したが…味方の犠牲も甚大だ…極東海戦だけで二百人以上の将兵が軍神に昇格しちまったからな…」 戦死者の人数に作業員は沈黙したのである。すると海軍将校は供物として小皿と桜餅を墓石に配置する。 「えっ?桜餅ですか?」 「月影桜花姫様…伝承では桜花姫様は人一倍桜餅が大好物だったらしいからな♪」 (大佐って…桜花姫様の愛好家だな…) 作業員は苦笑いしたのである。すると海軍将校の表情が険悪化するなり…。 「今後は大変だろうよ…」 「何が大変なのですか?」 「今回の極東海戦で大和神郷国は世界各国から脅威として再認識されたらしいからな…」 長年の鎖国政策により列強からは未開の小国と揶揄された大和神郷国であるが…。近代化によって六十年の短期間で列強に匹敵する海軍大国へと急加速したのである。局地戦であるがメトランティス帝国海軍の極東艦隊に勝利してからは全世界の覇権を掌握したパシフィス共和国さえも大和神郷国を脅威に感じる。極東海戦以後…。パシフィス共和国は大和神郷国を仮想敵国として再認識したのである。 「恐らく今度の大戦争ではパシフィス共和国が相手かも知れないな…」 「ですがパシフィス共和国は同盟国ですし世界一の国民主権の先進国家ですよ…簡単に裏切りますかね?」 「現段階では断言出来ないが…敵対すればメトランティス帝国よりも厄介かも知れん…覚悟は必要だ…」 気難しい話題に作業員は困惑する。再度墓石を直視するなり…。 「なっ!?大佐!」 「ん?」 「小皿の桜餅が…」 墓石の小皿を直視すると小皿に配置された桜餅が無くなったのである。
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超弩級戦艦桜花姫 ( No.73 ) |
- 日時: 2021/02/07 14:26:39
- 名前: 月影桜花姫
- 「野良犬か野良猫にでも食べられたのか?」
「ですが野良犬とか野良猫なら気付きますよ…」 「一体誰が桜餅を…」 すると背後より何者かが海軍将校の背中をポンっと接触する。 「ん?」 突然の人気に海軍将校は恐る恐る背後を警戒するのだが…。背後は墓石ばかりで誰一人として人気は確認出来ない。 「如何されましたか?大佐?」 「別に…何も…」 (ひょっとすると月影桜花姫様が供物の桜餅を食べたのかも知れないな♪) 海軍将校は内心大喜びする。 完結
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宇宙戦艦桜花姫※設定集 ( No.74 ) |
- 日時: 2021/02/11 15:05:09
- 名前: 月影桜花姫
- ジャンル
スペースオペラ
世界観 宇宙文明
登場人物 【アルバード】 出身地:宇宙独立国 所属:宇宙独立国防衛軍 職業:軍人 階級:大将 誕生日:天地暦39972年7月16日 星座:蟹座 年齢:48歳 身長:199cm 体重:88kg 血液型:AB型 一人称:私 性格:生真面目 好物:白ワイン、ビーフステーキ、ピラフ 苦手:マシュマロ、生クリーム
【メタルウォーカー】 種別:人工知能搭載型ロボット 全高:180cm 体重:180kg 動力炉:スーパーリアクター 装甲材質:エターナルメタル 生産数:4万体
登場戦艦 『桜花姫』 諸元 正式名:宇宙戦艦桜花姫 所属:宇宙独立国防衛軍主力艦隊 建造所:メティス造船所 艦種:宇宙戦艦 同型艦:アルセイス 起工日:天地暦39990年12月24日 進宙日:天地暦39992年4月7日 就役日:天地暦39992年5月30日 全長:400m 全幅:220m 全高:80m 総重量:70万t 全速力:超光速※ワープ機能 全出力:測定不能 航続距離:無限光年 乗組員:1人〜3人 輸送要員:300人〜800人 兵装 990mm怪光砲:1基 600mmプラズマ連装砲:2基 50mm対空パルスレーザー機関砲:12基 光子魚雷発射管:2基 多目的ミサイルランチャー:8基 艦載機:4機※無人機 装甲 主砲装甲:990mm 舷側装甲:700mm 甲板装甲:250mm 装甲材質:エターナルメタル 動力炉:ウィッチリアクター 設備 スーパーレーダー シールド装置 ワープ機能
登場クリーチャー 【スペースペスト】 全長:200m〜500m 体重:200万t〜500万t
【マザーペスト】 全長:2万km 体重:測定不能
登場国家 『宇宙独立国』 成立日:天地暦32020年12月25日 総人口:20万人
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宇宙戦艦桜花姫 ( No.75 ) |
- 日時: 2021/02/11 15:07:47
- 名前: 月影桜花姫
- 第一話
世界規模の大戦争やら環境汚染の悪影響から人類が宇宙に進出してより五百年後の超未来…。地球上から八百万光年の深宇宙より人工惑星国家『宇宙独立国』が建国される。宇宙独立国の総人口は推計二十万人であり高度化した管理社会が形成されたのである。天地暦三万九千九百九十二年四月七日午前八時半…。宇宙独立国軍事工場にて一隻の超弩級宇宙戦艦が完成したのである。一人の大柄の軍人が軍事工場に訪問する。 「完成したか…」 新型宇宙戦艦は全長四百メートル…。全幅二百二十メートルの巨大戦艦であり総重量は推計七十万トン規模である。大柄の軍人は新型宇宙戦艦を直視するなり感心する。 「此奴が防衛軍に配属されたら一隻だけで宇宙独立国の防衛が可能だな…」 すると一体の等身大ロボットが大柄の軍人に近寄る。 「【アルバード】大将…お早う御座います…」 軍人の名前はアルバードであり階級は大将である。金髪碧眼の白人であり生真面目であるが大勢の部下達からは信頼される。 「ん?【メタルウォーカー】か…」 メタルウォーカーとは最新式の高性能型人工知能を搭載した等身大サイズの人型ロボットである。家事やら作業は勿論…。戦闘用としても扱える万能人型ロボットである。 「アルバード大将が軍事工場に訪問されるなんて…本日は如何されましたか?」 「近頃…新型戦艦が完成したらしいからな♪拝見しに…」 アルバードが笑顔で発言するとメタルウォーカーが返答する。 「折角なので艦内も拝見しませんか?私が案内しますよ…」 メタルウォーカーの発言にアルバードは一瞬不安がる。 「えっ!?艦内を拝見しても…大丈夫なのか?」 アルバードが問い掛けるとメタルウォーカーは即答する。 「新型戦艦は特定の大将専用戦艦ですからね…階級が大将であるアルバード大将が艦内を見学されても大丈夫ですよ…」 「大丈夫であるなら即刻案内せよ…」
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宇宙戦艦桜花姫 ( No.76 ) |
- 日時: 2021/02/11 15:10:17
- 名前: 月影桜花姫
- アルバードはメタルウォーカーと一緒に新型宇宙戦艦の内部へと進入したのである。アルバードはメタルウォーカーに艦内を案内され各室内を拝見する。最後は動力炉が設置された機関室へと移動したのである。
「機関室だけ異質的だな…」 機関室だけは電灯が設置されず全体的に暗闇であり何も視認出来ない。 「何も確認出来ないぞ…」 すると直後…。ピカッと機関室中心部が発光すると球体の三メートルサイズの巨大水槽が出現したのである。 「水槽?なっ!?」 巨大水槽の内部には黒髪のストレートロング…。小柄の女性が口部に呼吸器を装着した状態で安眠する。 「彼女は一体…人間の女性なのか!?」
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神世界大戦〔短篇〕 ( No.77 ) |
- 日時: 2021/02/20 11:10:57
- 名前: 月影桜花姫
- ジャンル
神話風超次元バトル
世界観 神世界
破壊神 【ヴィルゴル】 身長:40万光年 体重:測定不能
大巨獣 【ヴァルドラ】 身長:9900万光年 全長:測定不能 体重:測定不能
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神世界大戦〔短篇〕 ( No.78 ) |
- 日時: 2021/02/20 11:14:16
- 名前: 月影桜花姫
- 本編
超古代宇宙時代末期…。大宇宙の中心部では無数の大巨神達が新宇宙の主導権の争奪戦に明け暮れる。無数の銀河系が浮遊する宙域にて背丈が銀河系の四倍もの巨大さである超魔神【ヴィルゴル】が自身の真下に位置する銀河系を凝視する。 「暇潰しに真下の銀河系を打っ壊すか…」 ヴィルゴルは左手に高エネルギーを凝縮させると高エネルギーの球体を生成させる。 「消滅せよ…」 高エネルギーの球体を落下させると銀河系全域がピカッと閃光が炸裂…。数秒後には完全消滅したのである。 「他愛無いな…」 ヴィルゴルとは神世界でも別格の超魔神であり全身は凸凹した岩石の肉体であり両肩には突起物…。両目は半透明の赤色であり胸部には赤色の結晶が確認出来る。全体的に悪鬼を連想させる風貌から神世界の大巨神達は最強の超魔神である彼を畏怖する。 「神世界も雑魚ばかりで面白くないな…」 ヴィルゴルは神世界では最強の超魔神であり今現在彼を満足させられる相手は皆無である。通常の戦闘が退屈であり毎日が憂鬱に感じる。 (私を満足させられる相手は…) すると突然…。 (ん?) 強烈なる殺気を感じる。
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神世界大戦〔短篇〕 ( No.79 ) |
- 日時: 2021/02/20 11:16:27
- 名前: 月影桜花姫
- (殺気?大巨神とは別物だな…)
殺気は神世界の大巨神とは別物であり姿形は不明であるが…。正体不明の気配がヴィルゴルの存在する宇宙空間に急接近中であるのは認識出来る。 (接近中だな…一体何が?) 数秒後である。ヴィルゴルの頭上真上より銀河系数千倍もの超巨大ワームホールが発生…。超巨大ワームホールの中心部より銀河系の数百倍もの巨大さであるワーム型クリーチャーが出現したのである。 「なっ!?此奴は…」 ワーム型クリーチャーは全身はゴツゴツした岩石の体表であり周辺の銀河系が砂粒に感じられる。 (ひょっとして此奴は…大巨獣…【ヴァルドラ】では?) 大巨獣ヴァルドラとは大巨神をも戦慄させる存在であり数千億もの銀河系…。宇宙をも捕食する大宇宙の天災である。 「こんな場所に大巨獣…ヴァルドラが出現するとは…」 するとヴァルドラの口先が開口した直後…。銀河系の数倍サイズの超巨大生命体が無数に出現する。
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超弩級戦艦桜花姫〔短篇〕 ( No.80 ) |
- 日時: 2021/02/20 11:24:11
- 名前: 月影桜花姫
- ジャンル
近代型軍記物語
世界観 近代風異世界
登場戦艦 『桜花姫』 諸元 正式名:超弩級戦艦桜花姫 所属:大和神郷国海軍国防艦隊 建造所:西方国造船所 艦種:戦艦 起工日:天地暦4990年12月25日 進水日:天地暦4992年4月7日 就役日:天地暦4992年7月16日 全長:300m 全幅:50m 全高:60m 総重量:70万t 全速力:24ノット 全出力:30万馬力 航続距離:無限海里 乗組員:200人 兵装 800mm連装砲:2基 120mm連装砲:4基 30mm機関砲:12基 爆雷投射機:2基 艦載機:2機 装甲 主砲装甲:990mm 舷側装甲:700mm 甲板装甲:250mm 装甲材質:牢固石 動力炉:特殊無限機関
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